売れっ子ホステスの告白 「夜の街」がコロナまみれになったワケ

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“営業妨害だ、名誉棄損で訴えるぞ”

 グループの中には営業を続ける店もあったという。

「このままではラチがあかないなということで幹部に直訴しましたけれど、“いちいちお客さまに連絡して誰得なの? 自分たちの首を絞めてどうすんだ!”と一蹴されてしまいまいして。それならばと、省庁に繋がりの深いお客様に連絡して、グループ全店舗を休業してもらうように幹部に掛け合ってもらったりもしたんです」

 それが奏功したのか、全店舗休業が26日に決定。もっとも、この時点で男性スタッフ6名が既にコロナ陽性となっていた。先に触れたように幹部社員も含まれている。立派なクラスタが出来ていたことになる。

「それでも店側はかなり強硬な態度で、“保健所の指導があったってことも、その後に営業していたことも、まして男性従業員に感染者がいることなんかをお客様にお伝えするのは営業妨害だ、名誉棄損で訴えるぞ”というような話を、女性たちに対してしています。これって脅迫ですよね? 男性スタッフの感染が10名超にまで膨れ上がり、それでもそのことが女性たちに伝わっていない。だから、自分自身は“濃厚接触者ではない”と思って実家に帰ったりし、その結果、感染を拡大させてしまっていることだってあるんです。とにかく、正確な情報をみんなで共有してPCR検査を受けられるようにしてほしいと訴え続けています」

 店の対応は語るにおちたと言わざるを得ない。

「東京でこんな店があるなんて……って驚かれるかもしれません。でも残念ながらこれは氷山の一角です。“ウチもそうなんです”って声が結構ありますから。症状があって、濃厚接触者がいることもわかっていて、感染源を特定できないままクラスターが出来ている可能性が極めて高い。そこまで悪い条件が揃っているにもかかわらず、対象者を検査せず、どうやって感染者数を減らしていくんでしょうか。東京都が発表しているコロナ陽性者数はどんどん増えてきていますが、保健所に強制力がないのを良いことに店側が隠蔽している数がかなりあるというのが、コロナまみれな私たちの実感なんです」

「緊急事態宣言待ったなし」となるまで、店は4月13日の週からの営業再開を目指していたという。北海道では、感染して入院し、退院。その後に再びコロナ陽性となった30代女性の件が報じられた。自粛が解かれた時、反動で夜の街に人が殺到。そして再クラスター化……の恐怖が杞憂に終わればよいが。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月7日掲載

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