萩生田光一大臣のカジノ疑惑 “マカオ特別待遇”の証拠動画

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お忍びの場合は…

 そもそも、ギャラクシー社側は萩生田大臣の来訪をどのように知ったのか。

 マカオのカジノを取材したこともあるジャーナリストの出井康博氏が言う。

「『完全なプライベート』のはずなのにギャラクシー社の幹部連中に旅行の話が伝わっているのはおかしな話です。自分から言っていないのであれば、政治家としての情報管理が甘いということになるのではないでしょうか」

 ギャラクシー社側は事前に萩生田大臣の来訪を知っていたからこそ、車を用意し、大物がわざわざ出迎えた。その車についての萩生田大臣サイドの主張は、“ロールスロイスなどの高級車ではなく、普通の送迎車だから超VIP待遇ではない”というものである。しかし、

「ロールスロイスや車体の長いリムジンを喜ぶのは成金の中国人富裕層くらい。国会議員などがお忍びでIR施設に行く場合は目立つリムジンを嫌がるのです。岡部さんはそうしたことを重々承知した上で黒塗りワゴンを用意したのでしょう。そもそも、その車に岡部さんが同乗していること自体、特別待遇と言えます」(先のカジノ事業関係者)

 都知事時代、カジノ誘致に慎重な姿勢を示していた舛添要一氏は、

「萩生田さんがギャラクシー社から受けた行為は特別待遇以外の何物でもなく、大問題です」

 と、批判する。

「萩生田さんは自民党幹事長代行の前は官房副長官を務めていた安倍総理の側近。当然、IR事業者もその経歴を調べた上で『こいつは使える』と議員たちを品定めし、狙いをつけて近づいてくる。だから、プライベートであっても、そうした事業者が運営するカジノやホテルを利用すべきではないのです」

 IR有力候補地の横浜が地盤でカジノ反対の立場をとる無所属の江田憲司代議士もこう話す。

「今回の萩生田さんの問題は“わきが甘い”どころの話ではないですよ。限度を超えています。推進派の政治家が今回のようなことをすれば、国民から『利権政治家が暗躍している』と思われても仕方ない」

 巨大利権をめぐる仁義なき戦い。動画の存在そのものが、戦いの凄まじさを物語っているのだ。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

特集「『萩生田光一大臣』に贈る言葉は『李下に冠を正さず』 『カジノ疑惑』マカオ特別待遇の証拠動画」より

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