元宝塚の「勝ち組」「負け組」残酷な明暗 黒木瞳は“密会報道”で伸し上がり

エンタメ 芸能 週刊新潮 2020年2月20日号掲載

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貴城けいで見えた元宝塚の「勝ち組」「負け組」(2/2)

 週刊文春が報じた鈴木杏樹の不倫のお相手は、元宙(そら)組トップの貴城(たかしろ)けいの夫だった。宝塚を去った面々のその後を追うと、「勝ち組」「負け組」の大きな差が見えてくる。

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 ある出来事と自分の容姿を頼りに、芸能界で伸し上がるための足場を拵(こしら)えたのが、圧倒的な勝ち組の黒木瞳だ。

 1986年1月、写真誌「フォーカス」は、その黒木と“元祖プレーボーイ”と呼ばれた大スター岡田眞澄(50)=当時=との「赤坂プリンスホテルでの逢瀬」を写真に収めて掲載している。この起点となったのは、編集部にかかってきた一本のタレコミ電話だった。

 可愛らしい声の女性が、「岡田と黒木が密会する。ホテルの部屋番号は『3711号室』」とまで伝えてきた。もっとも、編集部内の反応は「黒木瞳? 誰それ」というものばかり。宝塚を辞めたばかりの25歳の無名女優だ。それも仕方がないだろう。

「フォーカス」は、タレコミ電話を取ったカメラマンと記者の2人を密会部屋の隣と向かいの部屋に配置。午後9時20分、パーティー帰りの岡田と彼に寄り添う小柄な女が入室するのを確認した。夜が更け、部屋からはみ出してくるのは「ショーコ、愛してるよ!」の声。

 もっとも、記者やカメラマンは首を傾げる他なかった。「ショーコって誰だ? 瞳じゃないのか?」と。

 翌日の正午頃、岡田が退室した後、程なく、女が姿を現した。目がはっきり見える薄めのサングラスにルイ・ヴィトンのバッグ。記者が彼女の背後から「黒木さん?」と声をかけると、「はい?」と振り向き、カメラマンはシャッターを切った。

 記者が改めて「黒木瞳さんですね?」と確認すると、女は落ち着いて、「取材は事務所を通していただけます?」とだけ残し、エレベーターに消えた。直撃に無名女優がこうも落ち着き払った態度で対応できるだろうか――。カメラマンと記者の頭には幾つもの疑問符が過(よぎ)った。そしてカメラマンは気付くのだった。「あれ、今の女の声、タレコミ電話の声とソックリじゃないか!」

 そして、もうひとつの謎「ショーコ」もやがて解き明かされた。黒木瞳の本名は「江上(旧姓)昭子」だとわかったのだ。

「フォーカス」がこの密会を記事にした折、黒木は、

〈岡田さんには仕事やプライベートなことで相談にのってもらっているんです〉

〈明け方まで話しこんでしまって〉

 と釈明している。

 これを踏み台に黒木はこの年秋、「化身」で鮮烈な映画デビューを果たした。その後の活躍は言うまでもないだろう。

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