元宝塚の「勝ち組」「負け組」残酷な明暗 黒木瞳は“密会報道”で伸し上がり

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「歯が命」で転身

 黒木とは対照的に、負け組と言わざるを得ない元ジェンヌも紹介しておこう。浜風愛の芸名で舞台に立った金林眞貴氏は、天海や姿月あさとと同期でもある。旧帝国陸軍の伊丹松雄中将の孫にもあたる彼女は、87年に歌劇団に入って4年間、娘役として活動した。その後は、飲食店や風俗店の従業員を転々としたという。そんな金林氏は3年ほど前、のりピーの元夫・高相祐一と接点を持つ。薬物で3度目の逮捕と相成った高相に危険ドラッグを譲渡した疑いが浮上した。彼女は当時、本誌(「週刊新潮」)にこんな風に弁明している。安いカクテルグラスとマルボロを交互に口元へ運びつつ。

〈あのー確かに……。高相に接触はしているんですよ。貸しているお金を返してもらうために会うことになり、1万円返して貰った〉

 その口元をテーマに転身を図った元ジェンヌが、花園とよみの芸名で娘役として活躍した桝谷多紀子氏。歯科医になったのは、45歳の時だった。

「舞台人にとって歯は命。セリフも歌も。トウシューズで立つ時、“地球の引力に逆らって立ちなさい”って先生に言われるんですが、平衡姿勢を保つ際に大事なのも口の中の状態。私にとって舞台に一番近い仕事が歯科だったんです」

 64年に音楽学校へ、2年後、20歳で歌劇団に入団。在籍は4年半だった。

「芸能界に残った方だけが素晴らしいんでしょうか。私はそうは思いません。昨年の同窓会、同期もみんな集まって、本当にみんな堂々としていた。職業は関係ないんです。みんなそれぞれ、その道で命をかけて頑張ってきた。それは、胸を張って言えることです」

 最後に、「どうして退団後は食べられなくなってしまうのか」について。

「親会社の阪急が、退団後の生徒をどうするかきちんと考えていないのが問題だと思います。チケットはプラチナとされていますが、同じファンが何度も買って観ているだけで、それでは一般に認知されているとは言い難い。このご時世にSNSも禁止。ブログすら作れない。亜蓮冬馬みたいに途中で退団し、YouTubeで宝塚のことを暴露しちゃう人もでてきています。そうした流れを抑えるのは難しくなるでしょう」(ベテラン・ウォッチャー)

 宝塚のモットー「家族ぐるみで安心して楽しめる国民劇」に照らせば、やがて「家族ぐるみで安心して露出できるSNS」が優先される日が来るのか。となれば、在団時は花組だ月組だ、辞めたら勝ち組・負け組とくくられては涙ぐみ……から解放されるか。

週刊新潮 2020年2月20日号掲載

特集「大女優から薬物疑惑まで残酷な明暗! 『貴城けい』で見えた元『宝塚』の『勝ち組』『負け組』」より

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