極秘「決算報告書」入手! 「森喜朗」が代表理事「嘉納治五郎財団」の五輪買収「5億円」疑惑

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菅官房長官からの頼み事

 新財団立ち上げのための会議が組織委で行われたことは先述した通り。そのこと自体、この新財団が東京五輪と不可分の関係にある証左と言えるが、新財団と五輪を結び付ける「材料」は他にもある。それは、新財団の「母体」となる〈一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター〉(以下、嘉納財団)に関するものである。

 新財団の〈設立者〉であり、設立のために300万円を拠出する嘉納財団が設立されたのは2009年。

「『2016年五輪』の招致活動のために設立され、『2020東京五輪』の招致活動にも関わった」(スポーツ紙記者)

 というが、より具体的なエピソードがある。それは、政界のタニマチとしても知られる「セガサミーホールディングス」の里見治会長の口から発せられた。

 20年のオリンピック開催地が「東京」に決定した後の13年秋頃、里見会長は東京・新橋の高級料亭にいた。

「里見会長はマスコミや政治家、広告代理店の人間を集めた会合を定期的に行っています。あの日もテレビ局や広告代理店の幹部連中が来ており、参加者は全部で十数名。大部屋を借り切り、ステージではカラオケも歌われ、賑やかな会でした」

 と振り返る出席者の一人によると、その日の会合の最中、里見会長は、

「東京オリンピックは俺のおかげで獲れたんだ」

 と自慢話を始めたという。

 里見会長が語ったその話の内容は、概ね次のようなものだった。

「菅義偉官房長官から話があって、『アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない』と頼まれた。でも、いくらなんでも額が大きすぎる。『そんな大きな額の裏金を作って渡せるようなご時世じゃないよ』と言うと、菅長官は、『嘉納治五郎財団というのがある。そこに振り込んでくれれば会長にご迷惑はかからない。この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です』と。それで俺は動くことにした。自分だけで5億用意するのは難しいから、知り合いの社長にお願いして、俺が3億~4億、知り合いの社長が1億円用意して財団に入れた。菅長官は、『これでアフリカ票を持ってこられます』と喜んでいたよ。こんなことが出来るのは俺だけだ。俺のオリンピックなんだ」

 先の出席者が言う。

「会長が語ったこの話は、会合の参加者だけではなく、お店の仲居さん4、5人も聞いています。皆楽しそうに聞いていましたよ。会長曰く、このスキームを作ったのは広告代理店だが、『原資は俺の金なんだ』と。広告代理店は『あのアフリカ人親子をターゲットにすればアフリカ票が取れる』といったことも言っていたそうです」

 里見会長に取材を申し込んだところ、セガサミー広報部から回答が寄せられた。

「里見に確認したところ、“ご質問の内容からは会合を具体的に特定することができない。またある種の会合の場で質問状にあるようなコメントを発したかどうかは定かではない”と申しております」

 否定はしないご様子。嘉納財団に3億~4億円を拠出したのか、という質問に対しては、

「当社よりスポーツの発展、振興を目的に一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターへの寄付実績がございます。なお里見個人からの寄付行為はございません」

 として、財団への寄付があったことを認めた。また、拠出した金の使われ方を知っているかどうかを聞いたところ、こう答えた。

「財団ホームページに記載されているように、国内外のスポーツの発展、振興に関わる各種活動に使用されていると理解しております」

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