東京五輪の剰余金数百億円が森喜朗元首相設立の「謎の財団」に呑み込まれる
森喜朗元首相の新財団は負のレガシー(1/2)
溜息しか出ない。東京五輪組織委員会の森喜朗会長が新財団を設立し、五輪後の「レガシー」まで影響下に置こうとしているのだ。数百億円になると見られる剰余金が狙い、とも言われ、今こそ声高らかにこう叫ばねばならない。森会長こそが「負のレガシー」だと。
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ギリシャのオリンピアで聖火の「採火式」が行われるのは来月12日。ギリシャ人に続く第2走者として野口みずきがかの地を駆け、「2020東京五輪」は実質的にスタートする。その1週間後にアテネで行われる「聖火引継式」で披露されるパフォーマンスの演出を担当するのはEXILEのHIROである。去る1月26日にはそのリハーサルが行われ、
〈リハを見届けた森喜朗東京2020組織委員会会長(82)もキッズダンサーの躍動に、「『頑張ればEXILEに入れるかもしれないよ』と言うと、うれしそうな顔をしてました」と冗談めかした〉(1月27日付「デイリースポーツ」より)
森会長が上機嫌な理由は、準備が滞りなく進んでいることだけではないのかもしれない。未だ精気を失わないその目は、早くも「五輪後」を見据えていた――。
「東京五輪開催が目前に迫り、組織委会長としての役割が最終章を迎える中、森さんは五輪後における自らの地位や利権を温存するための動きを水面下で始めているのです」
そう明かすのは、文科省関係者である。
「おそらく森さんは、五輪が終わり、組織委会長の任を解かれてしまうと、これまで保持してきた政治的影響力を全て失ってしまう、と危惧したのでしょう。そこで、『一般財団法人日本スポーツレガシー・コミッション』という新たな財団を設立してそこの最高顧問に就任し、自らの影響力を『レガシー』として五輪終了後に引き継ごうと画策しているのです」
水面下で進むこの「計画」について、さる組織委幹部にぶつけてみると、
「本当ですか? 初耳ですね。彼は『東京五輪を花道にする』と言っていましたから、まさか終わった後も居座ろうとするなんて信じられません。確かに最近、すごく元気なのは事実ですが……」
そう言って首を傾げる。しかし、目下、「計画」が急ピッチで進行しているのは紛れもない事実である。
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