メッキが剥がれた小泉進次郎が名宰相になるには “敵”は田中角栄、山本太郎…

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

「セクシー」発言にはじまり、『週刊文春』による不倫報道、そして育休宣言……。環境大臣に就任して以降、小泉進次郎氏(38)をめぐるトピックスには事欠かない。将来が期待される彼が、乗り越えるべき“敵”とは?言論サイト「アゴラ」編集長の新田哲史氏による提言。

 ***

 小泉進次郎氏のメッキが剥げ落ちて久しい。特に若い世代やネット世論の人気低下は覆い隠せなくなった。それでも、高齢者を中心としたテレビ世論との乖離はあって、いまだ報道各社の世論調査で「次の首相」に1、2番手として名前は挙がる。

 ネット媒体の編集長としては忸怩たるものはあるが、私は、安倍首相シンパの保守論客たちのように“謀反”の芽を摘み取ろうと躍起になるほど根っからのアンチ進次郎ではない。類稀なる人気に相応しいだけの実力を培い、日本を再生させるための本格政権を本気で目指すなら応援してもいいとは思う。

小泉氏の方向性を占う?「森ゆうこ」騒動

 では小泉進次郎氏は、名実ともにどのような宰相を目指すべきなのか? そのことを論じる前提として、安倍首相の後継者は誰がなろうが、2020年代は、この長期政権の「先送り」政治のしわ寄せが必ず来ることを想定しておくべきだと思う。私がそれを実感したのは、昨年秋に国会を騒がせた国民民主党の森ゆうこ参議院議員による質問騒動だった。

 この騒動はマスコミがほぼ無視し、ネットでしか盛り上がらず、論点も官僚の働き方改革から議員特権まで非常に複雑な経緯をたどったので、あらましを知りたい人はアゴラのまとめ記事などを見てもらいたいが、本稿のテーマと関連するのは規制改革だ。

 森議員は、毎日新聞が昨年6月、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理をつとめた原英史氏が、あたかも規制改革を提案する企業と金銭的な癒着関係にあるかのような「疑惑」を報じたことを国会で取り上げ、原氏のことを「国家公務員なら、あっせん利得、収賄で刑罰を受ける」などと一方的に断じた。

 原氏は毎日報道を新潮社フォーサイトやアゴラ等でことごとく論破。民事訴訟にも発展したが、毎日は「原氏が直接金銭を受け取ったわけではない」などと実質的に記事の根幹を撤回している。

 ところが森議員は毎日新聞を鵜呑みにしたのか原氏を非難し続けた。民間人は、国会議員の院内発言で名誉を毀損されても、憲法の規定により議員は免責されることから、原氏は嘉悦大学教授の高橋洋一氏らと参院議長に森氏の懲罰を求めるネット署名を集め、請願を参議院に提出。森氏の言動に眉を潜めて追及していた私も、賛同人に名を連ねて支援した。

次ページ:安倍政権先送りの宿題が小泉進次郎政権の宿命

前へ 1 2 3 4 次へ

[1/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。