東京五輪、悪臭・高水温のお台場がなぜ会場に 改善対策でも残る懸念
東京五輪に四つの破綻危機――小林信也(1/3)
2020年“五輪イヤー”が幕を開けた。だが、本当に思惑どおり開催できるのか。先だってはマラソンの競技会場が札幌に変更されたが、実は避けて通れない難題がまだまだ残っているのだ。五輪開催を阻む四つの危機に、スポーツライターの小林信也氏が迫る。(以下は「週刊新潮」2020年1月16日号掲載時点の情報です)
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札幌に移ったマラソン。コース後半もようやく決まったが、多周回にこだわるIOCと世界陸連、札幌中心部の20キロ2周を主張する東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委)とのせめぎあいがあった。そこに見えるのは、日本側が抱く五輪幻想と、IOCが変革を進める新たなオリンピック観のズレだ。
日本陸連の帖佐(ちょうさ)寛章顧問が「周回コースはマラソンではない、42・195キロロードレースだ」と批判した。同感した人は多かったろう。だが、それこそがIOCが進める新しいオリンピックのビジョンなのだ。
ロンドン五輪でもリオ五輪でも3周回を採用した。トライアスロンの自転車は5キロを8周。オープンウォータースイミングは最長25キロのレースがあるが、五輪では10キロ。マラソンスイミングと独自の呼称になっている。従来のスポーツの概念をIOCは躊躇なく変えている。これを組織委も国民も理解しないと、東京五輪の成功はないだろう。
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