サウジに敗北、森保U-23監督を交代させ、新監督に就任させるべき人の名前

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五輪イヤーでも選考中の“非常識”

 交代カードについても森保監督は「最後で1人の交代を考えていた。まだ十分に攻撃ができているし、それほど疲労していないと思いながら交代を考えていました」と正直に話していた。

 選手交代に関して批判する気は毛頭ない。これは選手起用も同じで、監督の専権事項でもある。何をどう考えて決断したのか、ゲームプランは他人にはわからないし、まだ1試合が終わったばかりだからだ。

 それでも言わせてもらうと、五輪イヤーになっても選手選考を繰り返しているチーム作りは気がかりで仕方がない。競争は最後の最後まであっていい。そして今大会は12月のE-1選手権に出場したA代表とU-22ジャマイカ戦のメンバーから選ばれた22人に、久しぶりに3試合限定で海外組の食野亮太郎が加わった。とはいえ、今大会のチームが五輪のベースになるとも限らない。

 大迫勇也(29)[ヴェルダー・ブレーメン]らOA枠は別にして、海外でプレーするU-23代表候補は、

【1】冨安健洋(21)[ボローニャFC]
【2】堂安律(21)[PSVアイントホーフェン]
【3】久保建英(18)[RCDマヨルカ]
【4】安部裕葵(20)[FCバルセロナB]
【5】板倉滉(22)[FCフローニンゲン]
【6】中山雄太(22)[PECズヴォレ]
【7】三好康児(22)[ロイヤル・アントワープFC]
【8】前田大然(22)[CSマリティモ]

 とざっと挙げただけでも8人もいる。彼らのうちの誰が招集可能で、誰が必要不可欠なのか。チームの幹が決まらなければ枝葉も決まりようがなく、代表のボーダーライン上にいる選手にとってもランドマークは決めにくいだろう。

 森保監督がロシアW杯後に五輪チームの指揮を執ったのは、18年9月1日のアジア大会決勝が最後だった。

 その後は兼任とは名ばかりで、A代表に専念し、再び五輪チームの指揮を執ったのは19年11月17日のU-22コロンビア戦。実に1年以上のブランクがあり、その間の14試合は横内昭展監督代行兼コーチ(52)が指揮を執ってきた。

 情報は共有してきたと言うが、チーム作りがなかなか進まない原因は代表監督の兼任にあるのではないだろうか。このため、今大会の成績で森保監督の力量を判断するのは早計である。

 かつてフィリップ・トルシエ氏(64)が3世代の監督を兼任した時代とは、海外組の数も含め、国際Aマッチルールなど、選手を取り巻く環境も激変している。

 いまからでも遅くはないので、これまでも書いてきたように、技術委員会には横内U-23代表監督の誕生(森保監督は総監督でもいい)の再考を期待したい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年1月11日掲載

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