サウジに敗北、森保U-23監督を交代させ、新監督に就任させるべき人の名前

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相変わらずの決定力不足

 その点を森保監督は「カウンターは何回か仕掛けられる局面がありましたが、上手くいきませんでした。やらないわけではなく、選手はトライしましたが、サウジの守備に隙がなく、攻守の切り替えも速かったので、そこを上回れるようにしたい」と課題を口にした。

 確かにその通りである。と同時に、日本はタテパスを入れても1トップの小川航基(22)[ジュビロ磐田]がボールを収めることができないため、逆カウンターを食らわないようタテパスは次第に減っていった。

 代わりにサイドストライカーの旗手怜央(22)[川崎フロンターレ]と食野亮太郎(21)[ハート・オブ・ミドロシアンFC]が中に入ることでサイドにスペースを作り、杉岡大暉(21)[鹿島アントラーズ]と橋岡大樹(20)[浦和レッズ]の攻撃参加を引き出したが、彼らのクロスがシュートに直結することはなかった。

 その結果、前半にGK大迫敬介(20)[サンフレッチェ広島]のファインセーブがなければ、0-2になってもおかしくない試合だった。

 日本は時折、1タッチを織り交ぜた流れるような攻撃で地元ファンを沸かせたものの、決定機はゼロ。ようやく後半になって食野の個人技からチャンスをつかんだが、彼のドリブル突破以外にゴールの予感は漂わなかった。

 3BKの両サイドがワイドに開いてスペースを作りつつ、GKと下りてきたダブルボランチによる自陣ゴール前でのパスワークは、サウジのプレスを怖がることなく、いとも簡単にかわしていて、森保監督時代のサンフレッチェ広島を彷彿させた。

 しかし、「後ろでボールを回している限り奪われない」という安心感があったからなのか、なかなかボールを前に運べない。プレスを受けると安全第一でDFラインにボールを戻しているため、効果的な攻撃を仕掛けることはできなかった。

 0-0というゲームプランなら、それでもいい。しかし日本は、後半3分にA代表のエースでもあるアイマン・アルクライフ(22)[アル・アハリ・サウジSC]に先制点を奪われた。

 これでようやく目が覚めたのか、後半7分に右CKからの流れで橋岡大樹がこの試合で初めて決定的なシュートを放つ。そして後半11分、食野亮太郎のカットインからのシュートが相手選手に当たってコースが変わり、日本は1-1のタイスコアに戻した。

 見物だったのはここからの両チームのベンチワークだ。まず後半21分、サウジのサード・アル・シェフリ監督(40)は先制点を決めたアルクライフをベンチに下げる。これは負傷のため仕方ないが、アル・シェリフ監督の決断は早かった。

 すると森保監督も後半27分に、孤立無援だった小川に代えて上田綺世(21)[鹿島アントラーズ]を投入する。その意図は明確で決勝ゴールを狙えということだ。

 一方のアル・シェフリ監督は、その1分後にA代表のエースでもあるアブドゥラー・アル・ハムダン(20)[アル・シャバブ]を代えると、後半33分には早くも3枚目のカードを切った。この日の日本なら勝点3を奪えると決断したのかもしれない。

 そして後半40分、古賀太陽(21)[柏レイソル]のバックパスを拾ったフェラス・アルブリカンが岡崎慎(21)[清水エスパルス]を置き去りにして突進。ペナルティエリアに入ったところでアルブリカンがスピードダウンしたところ、追走した岡崎が倒してしまう。2分間のVAR判定の結果、サウジにはPKが、岡崎にはイエローカードが与えられ、日本は1-2で初戦を落とした。

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