情報漏洩の総務次官をクビ マジメ「高市早苗総務相」の評判

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 あっという間の更迭劇だった。日本郵政役員への情報漏洩が発覚し、事務次官をクビにした高市早苗総務相(58)は、今もNHKの問題や切手横領に厳しい姿勢で臨んでいる。その評判を聞いてみた。

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 事態が明るみに出たのは、12月20日のことである。日本郵政の鈴木康雄上級副社長に対し、総務省の鈴木茂樹事務次官が行政処分に関する情報を漏洩したと高市氏が発表した。次官は停職3カ月の処分を受け同日付で辞職。発端は大臣室の会話が相手に筒抜けになっていると疑問に感じたことだという。

 政治部デスクの解説。

「杉田和博官房副長官も“停職3カ月は相当きつい処分。辞職しろってことだから”とオフで話していました。大臣が内部監察を命じたのが3日前。鈴木副社長は元総務次官で、菅官房長官とも近い。高市さんから見ると郵政は菅さんの牙城で、人事に触れないジレンマを抱えていました。だから、ここぞとばかりに自分の力を誇示して見せたのです」

 もっとも、これまでの高市氏の仕事ぶりを見ても、不祥事の類にはキツイ言葉を投げかけるのが常だ。例えば、NHKが進める放送とネットの常時同時配信について、「具体的な取り組みが十分に示されていない」と物言いをつけているし、郵便局で相次いだ職員による切手の横領についても、社長の謝罪を求めている。

「とにかく高市さんは真面目なんです」

 とは、総務省関係者。

「ふるさと納税問題では週末に資料を議員宿舎に持ちかえり、時には地元に帰る予定を変更して勉強していたことも。先日、地方公務員の年金に数千人分の支給ミスが発覚した際もご立腹でした。その反面、仕事を抱え込みすぎても手を抜かず、機嫌が悪くなるので、眉を顰める省幹部もいます」

 そこへきて、省内ではこんな“決め台詞”に要注意とされている。

「目が笑っておらず、“あなたがそう言ったのを覚えておくわ”と言った時は、職員の仕事ぶりにかなりご不満ということ」(同)

 場が凍りつく熱心さだ。

 高市氏に日本郵政絡みの一連の不祥事について電話で尋ねると、

「日本郵政の対応に関しては社長が謝罪会見を開くべきというのが、私の見解です。組織が大きくなるにつれ、情報共有が遅れるのは起こりうること。それこそ、総務省でも、残念ながら情報漏洩という問題が起き、反省しなければいけないと思っています」

 その目が笑っていたかは確認できないものの、鼻声でこう吐露する。

「この1週間、官房長、監察官と内部監察で駆けずり回ってボロボロなんや~」

 マジメ、時に融通が利かない様も指すが――。

週刊新潮 2020年1月2・9日号掲載

ワイド特集「窮鼠猫を噛む『女力』」より

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