「あなたがそう言ったことは覚えておくわ」 霞が関を凍り付かせた「高市総理」対官僚の“決め台詞” 「大臣時代は仕事を抱え込みすぎると不機嫌になり…」

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鼻声で吐露

「とにかく高市さんは真面目なんです」

 とは、総務省関係者。

「ふるさと納税問題では週末に資料を議員宿舎に持ちかえり、時には地元に帰る予定を変更して勉強していたことも。先日、地方公務員の年金に数千人分の支給ミスが発覚した際もご立腹でした。その反面、仕事を抱え込みすぎても手を抜かず、機嫌が悪くなるので、眉を顰める省幹部もいます」

 そこへきて、省内ではこんな“決め台詞”に要注意とされている。

「目が笑っておらず、“あなたがそう言ったのを覚えておくわ”と言った時は、職員の仕事ぶりにかなりご不満ということ」(同)

 場が凍りつく熱心さだ。

 高市氏に日本郵政絡みの一連の不祥事について電話で尋ねると、

「日本郵政の対応に関しては社長が謝罪会見を開くべきというのが、私の見解です。組織が大きくなるにつれ、情報共有が遅れるのは起こりうること。それこそ、総務省でも、残念ながら情報漏洩という問題が起き、反省しなければいけないと思っています」

 その目が笑っていたかは確認できないものの、鼻声でこう吐露する。

「この1週間、官房長、監察官と内部監察で駆けずり回ってボロボロなんや~」

 ***
 
 高市氏と総務省との間の緊張関係は、記事の後も続いた。

 この2年後の2023年には、いわゆる「放送法文書」問題が起きる。この年3月、2014~15年に当時の磯崎陽輔・首相補佐官と総務省との間で行われた放送法の解釈に関わるやり取りを記した内部文書を、立憲民主党の小西洋之・参議院議員が入手。そこにはTBS「サンデーモーニング」の内容を受けて官邸側が放送法の解釈変更を行うよう、総務省側に圧力をかけたと取られかねない内容が記されていた。

 さらにその中には、高市大臣による、「テレビ朝日に公平な番組なんてある?」「民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね」などとの発言も残されており、小西議員はこの件を国会で厳しく追及した。高市氏は「発言内容は捏造」と激しく反発。国会が大揉めとなったのは記憶に新しい。

 文書の中身の真偽はともかく、重要なのは小西議員が元総務官僚で、文書は「職員から入手した」と述べたこと。つまり、省内に「アンチ高市」勢力がおり、彼女の力を削ぐために文書がリークされたという可能性も否定できない。

 それから2年。晴れて総理になった高市氏が霞が関とどう対峙していくのか。政権の浮沈に関わる事項であるだけに、要注目である。

デイリー新潮編集部

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