2019年「セブン、ファミマ、ローソン」の明暗、2020年に待ち受けるコンビニ「2つの課題」

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セブンは…

 反対に、セブン-イレブン(以下セブン)の2019年は対応の不味さが目立った年だといえる。24時間営業に反旗を翻した大阪の店舗とのトラブルや、本部社員によるおでん無断発注や残業代未払い、7Pay(セブンペイ)の中止などなど……。10月に発表された2020年2月期第2四半期決算では、10期ぶりの前年比マイナスを計上した。一方、ファミマ、ローソンは業績を伸ばしたから、一連の問題が影響したことは明らかだ。

「2020年のセブンは立て直しをはかる年ですね。19年は、ネガティブなニュースが多かったため目立ちませんでしたが、じつは未来を見据えた良い取り組みも行ってはいたのです。12月12日にリニューアルオープンした麹町駅前店は、少人化・省力化の実験店舗と位置付けた未来志向の店舗です。たとえば、導入されているのが、たばこの新型什器。従来のコンビニ販売は、お客様が告げる『番号』を伺い、店員が後ろの棚から指定の銘柄を取ってくるというものでした。しかしながら、いきなり『銘柄』で注文するお客様もいて、タバコを吸わない、知識のない従業員がもたつくことも多々ありました。さらにカートン単位の注文にはバックヤードから取ってくる手間もあった。ところが新型什器では、お客様がタッチパネルで注文すると、商品がストックされている箇所の棚が光るんです。店員はそこから商品を取ってくればいい。コンビニの売上の25%を占めるというタバコの販売の労力が減るのです」

 本来ならばこの麹町駅前店の発表もマスコミを招き大々的に宣伝するはずだったが、その矢先に残業代未払い問題が噴出し、発表会は立ち消えになったそうだ……。

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