伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…

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美味しい政権とのベッタリ

 実際、山口反訴状では、詩織さんに準強姦被害を訴え続けられ、ジャーナリストとしての社会的生命を絶たれたなどとして営業損害1億円を挙げている。テレビ番組出演などの営業収入1400万円ほどに加え、顧問料が2社で約750万円あったのに、18年度は無収入に陥った。名誉回復して従前通りの収入を得るための時間を見積もって、約2千万円×5年=1億円の計算になるという。2社の顧問料だけでサラリーマンの平均年収を凌駕するほど、政権中枢とのベッタリはことに美味しい。

 先の滝会長は昨年、母校・東工大に30億円を寄付し、滝夫妻の名を冠した「Hisao & Hiroko Taki Plaza」が建設中だ。母校愛が高じ、背伸びをしたシワ寄せが子会社に回ったのだろうか。山口記者へのお小遣いについて滝会長に質すと、会社を通じ、

「伊藤詩織氏と山口敬之氏との間の民事裁判に関しまして、弊社は一切関係がありません」 と、答えにならない回答。「Hisao & Hiroko Taki Plaza」にその名が並ぶ、滝会長の妻・裕子(ひろこ)さんにも聞いてみると、

「ウチではねぇ、私が喋るくらいで主人は仕事のことは一切話さない人なんですね。(菅さんとの関係は)そんな5、6年なんて話じゃなくて、昔からの知り合いだと思います」 他ならぬ滝会長夫人の証言である。菅長官と会長の浅からぬラインは存在する。他方、長官と山口記者の関係については、山口記者がものした自身の礼賛本『総理』に、こんな件(くだり)がある。

「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」

 安倍晋三氏が自民党総裁選に勝利した12年9月、菅氏から、こう謝辞を述べられたのだった。それは、山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果だという。つまり、山口記者が今に至る「安倍一強」の生みの親とも言えるわけで、お小遣いの手配のため、長官が“犬馬の労”を取っても不思議ではなかろう。

 ある日の早朝、惰眠を貪る赤坂をスーツ姿の一団がことに足早にウォーキング中だ。胸板が厚く、見るからに屈強なSP2人を引き連れた菅長官を直撃した。

――おはようございます、17年の話で恐縮なんですけど……。

「いや、もういい」

――毎月、山口敬之さんは顧問料を支払ってもらって。それは、長官が滝会長に依頼をされた……という話だったんですが。

「ちょっと、今……」

――山口敬之さんからお願いされたんですか? 顧問料を支払えというのは? どういった経緯かだけでも。

「ちょっと、悪いけど、ちょっと。私、関与してないです」

――とはいえ、その……。

「それ以上言えない。関与してない」

 それ以降は、「プライベートですから、だめ」「だから答えているじゃない」と続き、「失礼だよ、私のプライベートなんだから!」と、“24時間365日稼働”をもって鳴る菅長官には残念な“激おこ”で終わった。先の代理店関係者に改めて聞くと、

「会社の事業内容とは関係ない新潮の記事で送金を止めたということは、会社にとって山口がいかに不要な人材だったかを物語っている。つまり、どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然。繰り返しますが、山口は一度も会社に来なかったようですし、『山口顧問』の存在など、ヒラ社員は知る由もないんです」

週刊新潮WEB取材班

2019年12月22日掲載

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