完敗だった韓国戦 “戦えない選手”がいた不甲斐なさ、そして一番の問題点は?

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監督解任論も噴出か?

 戦術のミス、選手起用のミス、ゲームプランのミス。これだけミスが重なれば勝てるわけがない。12月18日に行われたE-1選手権の日本・韓国戦は、まるで「大人と子供のサッカー」と感じたのは僕だけではないだろう。

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 確かに今大会の韓国は、エントリー23人中、U-22世代は1人もいなかった。対する日本は14人をエントリーし、韓国戦では5人を起用した。

 しかし、勝負になれば年齢は関係ない。そして日本はミスを重ねて完敗した。

 まずは最初のミスとしてシステムがあげられる。近年の韓国は4-2-3-1を採用している。それに対しU-22日本をベースにしたチームは3-4-3を採用してきた。守備の時は両ウイングバックがDFラインに入り5バックになる。

 立ち上がりの韓国が、前線からのプレスを含めて攻勢に出るのは中国戦と香港戦でもそうだった。問題は、そこからマイボールにした時に反撃に移れるかどうかにある。

 試合は韓国がサイドハーフだけでなくサイドバックも攻撃参加して、日本を自陣に押し込んだため、いざ日本がマイボールにして反撃に転じようとしても、ウイングバックとサイドアタッカーは長い距離を駆け上がらなくてはならない。

 しかも、その前に両ボランチの田中碧(21)[川崎フロンターレ]と井手口陽介(23)[ガンバ大阪]がボールを失い、再び守備に奔走させられた。

 とりわけ顕著だったのが日本の左サイドだ。初戦の中国戦は、ほとんどの攻撃が森島司(22)[サンフレッチェ広島]と遠藤渓太(22)[横浜F・マリノス]の左サイドからの崩しだったが、韓国のパウロ・ベント監督(50)は右サイドからの攻撃に圧力をかけたため、若い2人は自陣に釘付けになることが多かった。

 韓国の右サイドハーフのキム・インソン(30)[蔚山現代FC]と右サイドバックのキム・テファン(30)[同]は、今大会で初めて同サイドでコンビを組んだ。

 2人はチームメイトだけあり、コンビで日本のストロングポイントである左サイドからの攻めを分断しつつ、日本のCB3人の中ではフィジカルでハンデのある佐々木翔(30)[サンフレッチェ広島]を攻撃の突破口にしようという狙いが、立ち上がりの時点で早くも見て取れた。

 しかし、森保一監督(51)からは何らかの指示が出た様子はなかった。

 もちろん日本にもアクシデントがあった。室屋成(24)[FC東京]が負傷により代表を辞退したことで右サイドバックの本職がいなくなり、4-2-3-1のシステムが採用できなくなったこと。そして前半22分にカットインからのシュートを狙った遠藤渓太が接触プレーで負傷し、その後は精彩を欠いたことだ。

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