愛子さまには将来は皇室から出て自由に生きてほしい…雅子皇后の親心にほくそ笑む安倍政権

国内 社会 週刊新潮 2019年12月12日号掲載

  • ブックマーク

天皇陛下を抱き込む安倍総理(2/2)

 平成の時代に比べ、天皇陛下との“接触”の機会を多くする安倍総理。国内外の情報をご報告する内奏は7回に及び、また、「新閣僚の認証式や春秋の叙勲の前などに内奏を行うのは一般的ですが、そうした時期とは意味合いの異なるものも」(宮内庁関係者)。11月中旬に庁内であった侍従職のレクでも、「何のために陛下にお会いしたのか」と記者から質問が出たという。

 ***

 令和最初の内奏に際しては、こんな一幕もあった。

「5月16日付の毎日新聞で、その2日前に初めて陛下に内奏した安倍総理が『部屋のドアまで送ってくださって恐縮した。前の陛下はいつも座ったままだった』と話したと報じられました。これに宮内庁は過敏に反応し『上皇陛下に非礼』だと強く否定した。実際に上皇さまがそのようになさったとは思えませんが、いずれにせよ総理がそれほど上皇さまとの“距離”を感じていたということでしょう」(宮内庁担当記者)

 さらに続けて、

「この侍従職のレクでは、両陛下の行幸啓についてもベテラン記者から質問が出ました。『9月にも、新潟での国民文化祭からのお帰りの際、東京駅に安倍総理がお出迎えに駆けつけた。総理は、今上天皇に親和性を感じているのではないか』と、平成の行幸啓のケースを引き合いに出し、鋭く畳みかけたのです」

 侍従職は慌てたのか、

「『回数はつぶさには数えていません』としながらも、『上皇陛下から天皇陛下に御代が替わったから(安倍総理のお出迎えが増えた)ということではないと思います』などと、まるで平成と現在に“差異”があるとの指摘を認めるかのような回答をしたのでした」(同)

 この後、11月26日にも首相は「親謁の儀」のため奈良・京都に行幸啓された両陛下を、東京駅でお見送りしている。ちなみに平成時代、安倍首相が鉄道駅で両陛下を「お見送り」「お出迎え」したのはご退位間近の今年4月17日、伊勢神宮へ向かわれる際にお見送りした1回のみ。

 そしてこの“差異”には、皇室との関係修復のみならず、さらなる首相の深謀があるという。すなわち上皇さまがなさってきた、官邸の関知しないところでの“発信”を未然に防ぐといった狙いである。

陛下はかつて「ちょっと待って」と

 安倍首相のブレーンである麗澤大の八木秀次教授も、

「確かに総理は、今上陛下には非常に丁寧に接しているように見受けられます」

 と言うのだ。

「たとえば安定的な皇位継承という課題にしても、今上陛下はかつて、小泉政権が女性・女系天皇を容認すべく皇室典範改正を進めていた時に『ちょっと待ってほしい』と漏らされたと報じられました。愛子さまはいずれ民間人になるものだと思われていたのでしょう。上皇陛下と比べれば、こうしたお考えの今上陛下のほうが総理に近く、ご年齢も近い。関係は、ずっと良くなっていると思います」

 加えて、長期療養に入られていた皇太子妃時代の雅子皇后も、愛子さまについて“自分のように苦労せず、将来は皇室から出て自由に生きてほしい”と望まれていたと伝えられている。愛子さまに皇位が移ることには両陛下とも消極的で、こちらに勝算ありと、安倍官邸が捉えるのもむべなるかなである。

 が、かような首相の“接近”に先の宮内庁関係者は、

「上皇ご夫妻は、こうした動きに気を揉まれていると伺っています。強いご意思で進めようとなさっていた女性宮家構想を、首相は立ち消えにさせるべく今上陛下の“抱き込み”を図っているわけです。議論が進まなくても、常日頃から陛下とお顔を合わせていれば、なあなあで済ませられる。そこが狙いなのではと、我々も訝らざるを得ません」

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。

「一般の18歳であれば選挙権を持ち、これから大人としてどう生きていくか考える時期です。愛子さまはどの大学で何を学ぶかはある程度決められますが、ご自身のお立場は決めることができない。数年後のお姿を想像するのも難しい、不安定なお立場なのです。愛子さまのためにもこれ以上議論を先送りせず、早く道筋を立てるべきです」

 先の関係者が明かすには、

「実は、愛子さまはお忍びで11月10日の祝賀パレードをご覧になっていました。皇居からの出発時、正門石橋のたもとに、身を潜めながら車列の動きを目で追われていたというのです。その時、ご胸中ではあるいは、先々のご自分のお姿と重ね合わせておられたのかもしれません」

 ご両親のお立場を慮(おもんぱか)り、人知れず帝王学を「自習」なさっていたとすれば――。

 女性宮家や女性天皇に関し、はたして両陛下も平成の東宮時代と同じお気持ちでおられるのだろうか。

特集「『天皇陛下』を抱き込む『安倍総理』」より