最恐暴力団「工藤会」本部がついに落城…売却先企業を守る裏スキームが存在した

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「県警OBが守護神」

 いったい、曰くつきのこの土地を誰が大枚はたいて購入したのか。表向きには公益財団法人の福岡県暴力追放運動推進センターが工藤会から一時的に買い取り、県内のとある民間企業に転売したと報じられている。

 さる事情通が明かすには、

「買い取った企業は、地元の北九ではなく、福岡市にある土木関連会社。工藤会をはじめ暴力団から足を洗った人間たちを再雇用する、警察の協賛企業だよ」

 件(くだん)の会社社長に尋ねると、

「そんな話は知らない」

 と嘯(うそぶ)くが、これには地元特有の事情があったと、先の記者が話を継ぐ。

「当初は北九州市が主導して、入札で売却先を決めようとしたのですが、案の定、工藤会と親しい市内の業者が手を挙げる動きがあった。そこで、県警が待ったをかけて独自に売却先を探したのです。企業名が事前に漏れれば、元組員たちから嫌がらせを受ける可能性もあり、監査役として県警OBが守護神につく、件の土木関連会社が選ばれたというわけです。実は解体業者も顧問に県警OBがおり、すべての過程で反社が手を出せないよう、県警主導で企業を守る裏スキームが構築されていたのです」

 年明けに所有権が移るが、跡地の利用法は未定のまま。

「極道が聖地巡礼と称して押し寄せてくる可能性もあるので、とてもマンションなどは建てられない」(同)

 と聞けば、北九に春が訪れるのはまだ先になりそう。

週刊新潮 2019年12月5日号掲載

ワイド特集「魔の最終コーナー」より

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