桜を見る会騒動 私物化批判の「メディア」「野党」に刺さるブーメラン

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「出席しております」

 まずは、メディアではほとんど報じられない、安倍首相のある発言を取り上げてみたい。

 首相は総理番の記者からの「桜を見る会にはどんな方が参加すると認識していたのか」との質問にこう切り返している。

〈叙勲を受けられた方々もおられますし、いろんな方々が、正に皆さんの会社のトップの方、幹部の方、あるいは報道機関のキャップの方等、たくさん来られてますね〉

 つまり、この問題を糾弾するメディア関係者も会に招待しているではないか、というワケだ。実際に大手新聞社・テレビ局に「貴社の社員や役員が、招待を受けて桜を見る会に出席したことはあるか」と問い合わせてみた。

 すると、読売新聞は「あります」、産経新聞からは「はい」との回答があった。

 他方、朝日新聞は「少なくとも2013年以降は、社主と代表取締役は出席していません」としながら、「招待状については、最近は、社長あてに届いています」。

 毎日新聞は「社長、会長あてに毎年、招待状をいただいておりますが、出席した記録はございません」と答えている。

 では、テレビ局はどうか。テレビ朝日が「招待を受けたことはありますが、確認できる範囲で役員は出席していません」とする一方、「招待を受け取材目的で出席しております」(フジテレビ)、「これまでに弊社関係者が出席したことはあります」(TBS)、「招待を受けた場合には、出欠などについて適切に対応しています」(NHK)といった回答が寄せられた。

 端的に言えば、出欠はともかく、いずれの主要メディアも慣例として桜を見る会に招待はされているのだ。先のデーブ氏が、

「メディアは以前から事情を知っていたのに、ネタになると気付いて取り上げ始めた。ただ、自分たちが招待されていることに触れずに“私物化”を批判するのはブーメランですよね」

 と訝るのも頷ける話だ。

週刊新潮 2019年11月28日号掲載

特集「狂い咲き『桜を見る会』はバカ騒ぎでも 安倍首相『前夜祭』の釈明21分間に二つの墓穴」より

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