西武・森友哉 連覇に貢献もCS不調で「戦犯扱い」…来季に懸ける思いを語る

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本人の自己分析は

「根本から変えていかないといけない。技術も考え方も……。すべてを変えないと結果にはつながらない。(CSでチームに)貢献できなかったのはよくわかっています。自分で決めるんじゃなくて、“つなぐ意識”が重要なんだと思いました。自分の結果が出なくても、チームとして得点力が上がればいい。それが、うちのチームの野球だと改めて感じました」

 レギュラーシーズンでは自ら決めていた森が、“つなぐ意識”が重要だと痛感したという。CSでの結果は、森の“打撃観”を一変させてしまったのかもしれない。一方、守備ではミスが目立つシーズンだった。レギュラーシーズンでの捕逸数は12球団ワーストとなる12個。他球団のレギュラー捕手が1桁台であることを考えると、森の捕逸数は多すぎると言わざるを得ない。それが最も悪い形で出てしまったのが、CSファイナル初戦だ。8回表、同点の場面で決勝点となる捕逸を犯してしまう。結果的に、ソフトバンクにシリーズ全体の流れを渡してしまったと言われてもしょうがない痛恨のエラーだった。

 森は、以下のように自らを分析している。

「守りに関しては1つのミスが致命傷になります。いろいろな準備をしておかないと、小さなミスが命取りになる。(それを防ぐための)準備が足りていない、と言われても仕方がない。CSファイナルはレギュラーシーズンが終わってから期間が空くので、調整方法のなかで何が正しいのか、正直わからないです。それでもやれることをやったうえで、ああいう結果になった。準備不足ではなく、技術や能力の不足だと思いました」

 具体的にCSファイナルでの捕逸を質問したわけではない。それでも森の口から出た言葉からは、あの時のことが語られているようだった。そして、来季についてはこう続けた。

「どうなるかわからないですが、やってみるしかない。いろいろなところを変えないといけない。もちろん来シーズンはイチからはじまるので、まずは短期決戦よりシーズンを通しての体力や技術を磨きたい。自分がレベルアップできれば、短期決戦でも自然に結果を出せるようになると思う。そういう選手になります」

 コンディション面を考慮して、本人の意思で、世界野球「プレミア12」の侍ジャパン召集を辞退したという。日本代表を辞退するのは、相当な覚悟がいるが、それだけ自らの現状を重く受け止めている。実は、ヤンチャそうな見た目からは想像できないほど繊細な性格。森は今、悔しさや敗北感を糧にさらなる進化を目指している。2020年は、これまで以上の姿を見せてくれるはずだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月26日掲載

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