「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」の土曜引越しは失敗、経営判断ミスとの指摘も

エンタメ 芸能 2019年11月23日掲載

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金曜改革も大失敗!?

 ツイッターで「アニメ 左遷」と検索してみると、相当数のツイートが表示される。近年、少子高齢化を背景に多くのアニメ番組がゴールデンタイムから消え、歎き悲しむ声が少なくないということだ。

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 特に今年はテレビ朝日が、誰もが国民的アニメと認める「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」の放送時間を変更したことが大きな話題になった。

 9月6日までは「ドラえもん」は金曜の午後7時、「クレヨンしんちゃん」は午後7時半から放送されていた。この時間帯がゴールデンタイムにあたることは言うまでもない。

 ところが10月5日から、前者は土曜の午後5時、そして後者は、より早い午後4時半からの放送となった。

 テレ朝は、金曜夜のゴールデンタイムで視聴率が低迷している「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」を左遷。代わりに「ザワつく!金曜日」(19:00)、「マツコ&有吉 かりそめ天国」(20:00)、「ミュージックステーション」(21:00)の3本をぶち込み、視聴率を上げる戦略を選択した。

 視聴者の年齢層を上げ、アニメ2番組の後に「ミュージックステーション」が始まるミスマッチを解消。悲願の「視聴率三冠王」、「打倒日本テレビ」を実現させようと、金曜改革の大なたを振るったのだ。

 だが、テレ朝の目論見は、今のところは失敗に終わっているようだ。ライバル民放キー局で番組制作に携わるスタッフが解説する。

「前提として、テレ朝の日テレ超えは決して夢物語ではありません。『ナニコレ珍百景』(日・18:30)、『ポツンと一軒家』(同・19:58)、『相棒』(水・21:00)、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(木・21:00)と高視聴率番組が多く、朝の『モーニングショー』(平日・8:00)や、午後の『相棒』の再放送も手堅く数字を稼いでいます。金曜改革は練りに練った戦略だと思うのですが、『マツコ&有吉 かりそめ天国』と『ミュージックステーション』の2本が誤算でした」

 午後7時からの「ザワつく!金曜日」は好評で視聴率は2ケタ。ところが続く「かりそめ天国」は深夜番組の良さが失われて8%台に低下し、「ミュージックステーション」が5%台に甘んじている。例えば11月8日に放送された「Mステ」の視聴率は5・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だった。

「それでも3番組をテコ入れしたり、最悪の場合は新番組をスタートさせたりすれば、とりあえず何とかなるものです。ところが土曜に移した『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』の視聴率低下はさらに深刻で、作品の“ブランド価値”が暴落する可能性が出てきました。何しろ10年前は金曜夜で20%台を稼いでいた2番組が、土曜の夕方になってからは3%とか2%という数字も出ているわけですからね」(同・制作スタッフ)

 ビデオリサーチの公式サイトに掲載されている「週間高世帯視聴率番組10.」を元に、金曜夜だった8月における「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」の視聴率と、土曜夕方に左遷された10月の視聴率を比較してみた。表にまとめてみたので、ご覧いただきたい。

 少なくとも夏までは6%台が中心であり、あと少しで7%に届く数字をキープしていたことが分かる。そして土曜に“左遷”されてからは、3%や2%台に下落してしまったことも一目瞭然だ。

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