「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」の土曜引越しは失敗、経営判断ミスとの指摘も

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アニメ事業は経営の根幹

 ところで、テレ朝の視聴率が下がることを、実は他ならぬ視聴者が“予言”していたことをご存じだろうか。

 デイリー新潮は9月1日、「『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』は土曜日に左遷 苦肉の“抱きつき作戦”」の記事を公開した。2番組を左遷するにあたり、ライバルの日テレが放送する人気アニメ「名探偵コナン」(土・18:00)に着目。それより前の時間帯に放送することで、“抱きつき視聴”を狙ったという内容だった。

 この記事がYAHOO!ニュースにも掲載されると、コメント欄に「生活習慣と合致しない」という多くの苦情が書き込まれたのだ。代表例をいくつか引用させていただく。(註:引用時にはデイリー新潮の表記に合わせた、以下同)

《ドラえもんとクレヨンしんちゃんの曜日変更は本当に困ります…我が家では金曜日、学校から疲れて帰ってきた子供が楽しみにしてるアニメだったので》

《土曜は、土日休みの家庭の場合は出掛けてる事が多い。実際、コナンって車の中でかかってる事が多いですよね。金曜の夕飯時に、週末のワクワク感を感じる今までの時間が良いのに》

 最後はツイートをご紹介しよう。

《土曜日夕方って、子供は塾、予備校、習い事、遊びに出掛けてて、家にいないんじゃ?》

「実はテレビ朝日は“引っ越し”の理由を『金曜夜は塾などで『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』を見ていないので、土曜夕方に移します』と説明していました。ところがネット上では『土曜の夕方は習い事や外出、外食があるからリアルタイムは見られない』という意見が大勢を占めました。実際、引っ越し後の視聴率を見ると、視聴者の苦情の方が正しかったということでしょう」(放送担当記者)

 ご存じの方も多いだろうが、確かに現在の「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」は視聴率が低いのかもしれない。だが、これが映画版になると、年間興行収入のベスト10は常連といっていい。

 今年は3月に「ドラえもん のび太の月面探査記」(東宝・八鍬新之介監督)が公開され、興行収入は約50億円。4月には「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」(東宝・橋本昌和監督)が公開され、こちらも約19億円を稼いだ。

「興行収入だけでなく、ソフト化に伴う利益や、物販もあります。アニメコンテンツはテレビ局の経営を左右するほどの収入源です。例えばテレビ局の株価ですが、日テレは1400円台、テレ朝が1700円台なのに対し、テレ東は何と2300円台。これはアニメ事業が好調なことを投資家に評価されているからです。テレ朝は『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』の放送日を変えて視聴率を下げました。この悪い流れが映画にまで伝播すると、テレ朝の屋台骨は揺らぎます。番組改編のミスどころか、経営判断ミスと言われてもおかしくないですね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2019年11月23日掲載

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