中日「根尾昂」の1年目は期待外れも……外野コンバートで“イチロー”に化ける可能性

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 甲子園でヒーローとなり、鳴り物入りでプロ入りした中日・根尾昂。ファンの期待とは裏腹に、ルーキーイヤーの成績はかなり物足りなかったといえる。シーズン終盤にようやく1軍に昇格したものの、出場したのはわずか2試合。しかも、2打席ノーヒットであっけなくシーズンが終わってしまった。

 果たして、来季以降、根尾は本来の能力を“開花”できるか。オリックス時代、イチローや田口壮とともに「最強の外野陣」を形成した、野球解説者の本西厚博氏は、根尾について、こう話す。

「打撃については非凡なものがあります。肩の強さと足の速さは、現時点でもプロレベルでしょう。あとは経験によってプロのレベルに慣れることが必要で、反応や判断速度が備わればレギュラーを獲得できる可能性も高いですね。ただ、(現在、取り組んでいる)ショートでは、すぐにレギュラーに定着することは厳しいでしょう。なぜなら、現時点では、シュートのレギュラーを張る京田陽太の守備の方が上です。打撃では、根尾が京田を上回ることができるかもしれないが、首脳陣は、センターラインの重要なポジションを任せるとなれば、守備力を重視して、京田をレギュラーで使い続けるでしょう」

 確かに、根尾と京田の守備力を比べると、京田が圧倒している。今シーズン、京田の守備率(守備力を示す指標のひとつ)は.985でセ・リーグトップの数字を誇っている。中日は、守備力がある京田を外して、根尾をわざわざ起用するリスクは冒せないだろう。一方で、中日の外野陣は手薄だ。センターの大島洋平、ライトの平田良介が不動のレギュラーとして君臨しているが、いずれも30歳を超えて円熟期を迎え、その“後釜”となる若手外野手の育成が急務となっている。また、レフトのレギュラーも固定できていない状況にある。

「根尾は、外野手であれば、早い段階でレギュラーに定着できると思います。内野から外野のコンバートへの対応は、そこまで時間がかからない。センターからスタートして、その後、ライトができるようになれば理想的ですが。根尾は、陽岱鋼(現・巨人)が若手だった日本ハム時代に似ています。最初、陽もショートをやっていました。肩が強く、足もめっぽう速く、外野にコンバートすべきだ、とずっと思っていました。私が楽天コーチだった頃、当時日本ハムのコーチを務めていた福良淳一さん(現オリックスGM)に陽岱鋼をもらえないか、と話したことがあった。その後、陽は外野にコンバートされ、リーグを代表する外野手になりましたね」(前出の本西氏)

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