巨人がソフトバンクに4連敗で原監督「DH導入論」は正論か言い訳か

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 すっかりラグビーブームの陰に隠れた上、あっさり勝負がついてしまったので、ご存知ない方もおられるかもしれない。

 今年の日本シリーズのことである。巨人がソフトバンクに0勝4敗で敗れた。

 巨人がリードした瞬間は、第1戦2回表と第3戦1回裏の2イニングのみ。清々しいほどの完敗である。シリーズ終了翌日、原監督は、

「(セ・リーグも)DH制は使うべきだろうね。DH制で相当、差をつけられている感じがあるね」

 今年を含め、ここ10年のうちパ球団の勝利は実に9回。かようにパが強いのはDH制のおかげだ、と弁明したのだ。

「まあ、正論ですがね」

 と大手紙デスクが語る。

「DH制は、投手は気が抜けるシーンがなく、自分は打席に立たない。チャンスに打順が回ってきて交代なんてこともない。そのため本格派の大投手が育ちやすいとされています。また、そんな本格派投手と対戦する機会が多い打者も、腕が上がると言われています」

 現に、メジャーに渡って成功した投手のほとんどがパ・リーグ出身である。

「セでも以前からDH制導入の議論があり、一番声が大きいのが巨人。余剰人員を抱える金満球団ほど有利になりますので」(同)

 一方で、

「原監督の弁は、言い訳にしか聞こえませんね」

 とスポーツ紙ベテラン記者は手厳しい。

「じゃあV9時代の巨人は何なのよ。DH制でない東京ドームの試合も完敗だったのは何故? DHでないと、バントが増え、継投にも気を遣う。いわゆるスモールベースボールになり、監督の手腕が問われる。原監督はそれが足りないだけ」

 アメリカではワールドシリーズをナショナルズが制覇したが、

「ここ10年で、DH制のア・リーグとそうでないナ・リーグは5勝5敗と拮抗。今年もナのナショナルズがスモールベースボールで善戦していますよ」とは、同記者の取材時の言葉。

 敗軍の将は兵を語らず。原監督、言いたいことがあるなら勝ってから言うべし。

週刊新潮 2019年11月7日号掲載

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