五輪マラソン札幌移転、次は「馬術」も検討? コース計測に警備と問題は山積

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 小池百合子東京都知事は、あえなく“敗北”――。森喜朗・大会組織委員会会長と国際オリンピック委員会(IOC)に押し切られる格好で、東京五輪マラソンの札幌移転が決まった。

 政府関係者によると、

「現在、マラソンと競歩だけではなく、馬術競技についても、東京から北海道に会場を移すことが検討されており、組織委幹部が密かに動いている。これを主導しているのは、組織委の森会長と橋本(聖子・五輪担当)大臣のライン。橋本大臣は競走馬育成の業界と近い関係にある」

 マラソンにせよ馬術にせよ、選手のことを考えたら炎暑の東京より北海道のほうが良いのは明らか。しかし、あれもこれも移すのであれば、看板をかけ替える必要が出てくるのではないか。「東京五輪」ではなく、「東京・北海道五輪」と。

 ただし、その北海道の側も歓迎ムード一色ではなく、

「新しいコースを設定する場合、その計測をどうするのか気になりますね……」

 と、北海道陸上競技協会の幹部。

「通常、国際大会のコース設定は、国際陸上競技連盟公認公式計測員が自転車3台に特殊なカウンターをつけて測り、平均値を取ります。ただし、北海道は早ければ10月から雪が降り始め、朝夕は道路が凍ってしまう。そうなれば自転車での計測なんて出来ません。雪が完全に溶けるのは3月中旬くらい。そこから新しいコースを決めて計測するのでは遅すぎる気がします」

 IOCはマラソンの発着点として札幌ドームを候補に挙げているが、組織委は北海道マラソンの発着点であり、より現実的な大通公園を検討しているという。

「ただ、大通公園発着となると、観客は沿道に集まる形になり、警備上の問題が出てきますね」(元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏)

週刊新潮 2019年11月7日号掲載

特集「『小池百合子』vs.『森・バッハ』最終対決 『マラソン・競歩』はカジノの犠牲にされた!」より

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