松本人志の都合で「ワイドナショー」が2本撮りの非常事態 「サンジャポ」に白旗?

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リニューアルは不可避?

 ここで「ワイドナショー」の歴史を簡単に振り返っておこう。2013年10月に放送が開始された時は、火曜の午前0時35分のオンエアだった。最初は深夜番組だったのだ。翌14年4月に日曜の午前10時からのオンエアに“昇格”し、現在に至っている。

 番組が人気となったのは、松本のコメントに注目が集まったからだ。例えば16年2月9日、日刊スポーツは「ワイドナショー好調」という記事を掲載している。

《7日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)が視聴率10・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、裏番組のTBS系「サンデー・ジャポン」の10・4%に0・1ポイント差に迫った。1月31日には初2桁の10・7%をマークし2週連続の10%台となった。いずれも事件に対するダウンタウン松本人志(52)のコメントが話題を呼んだ。7日は、清原和博容疑者(48)に「ウソは、我々、視聴者に対してバカにしてる」とコメントした》(註:年齢は当時)

 清原和博(52)が覚醒剤取締法違反(所持)で現行犯逮捕されたのは2月2日のことだった。「松本は何とコメントするのだろう?」と視聴者の興味が集中し、視聴率を押し上げたことが分かる。放送担当記者が解説する。

「番組が最も成功を収めたのは、今年7月21日に放送された緊急生放送です。この時、吉本興業の闇営業問題が社会的関心事でした。『ワイドナショー』は7月19日の金曜に収録を終えましたが、翌20日に宮迫博之さん(49)と田村亮さん(47)が緊急会見を開きました。そこで松本さんは夜に吉本興行東京本社に出向き、幹部と話し合いを持った上で、日曜の『ワイドナショー』を生放送としたのです。金曜の収録分はお蔵入りになってしまいました」

 その結果、ビデオリサーチが調べた関東地区の視聴率は16・7%、関西地区に至っては22・1%を記録し、共に番組最高の数字となった。大成功と言っていい。

 情報番組はニュースの“鮮度”が大事だと改めて実感させられた。「2本撮り」はあり得ないスケジュールであることは火を見るより明らかだ。民放キー局で番組制作に携わる関係者が明かす。

「一部のメディアが報道していますが、11月29日の放送から松本さんが“新局長”に就任した人気バラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ制作・註1)は、収録が各週金曜とされています。さらに翌土曜は、『松本家の休日』(同・註2)のロケがあるそうです。もちろん収録場所は、いずれも大阪。松本さんのスケジュールの都合で、『ワイドナショー』を2本撮りすることになったのでしょう。松本さんにはメリットがあるわけです」(註1:近畿広域圏などで金曜・23:17から放送 註2:近畿広域圏などで土曜0:10から放送。2番組共に全国ネットではない)

 一方で、フジテレビのメリットは皆無だという。冒頭で紹介した日刊スポーツの記事には《制作費の問題も2本撮りの方が楽だし、安上がり》とあるが、前出の番組スタッフは「少なくとも私の考えでは、正しい記述だとは思えません」と指摘する。

「2本撮りのメリットはゼロどころかマイナスです。例えばセットの組み立てに必要な費用が半分になったとしても、その削減効果などたかが知れています。それより重要なのは視聴率です。後塵を拝している『サンデージャポン』(TBS系列・日曜・10:00)は生放送。視聴者が“鮮度の失われた情報番組”を見るとは思えず、その差は拡大するでしょう。フジテレビにとって痛手となるのは間違いありません」

 この関係者によると、週1で収録していた時代は、「何とかして生放送に近づけよう」という努力を感じられたという。

「情報番組は生放送が大前提です。ただ『ワイドナショー』の場合は、できるだけ新鮮なネタを選び、土曜を挟んでしまうタイムラグを何とかして最小化しようと、あの手この手の演出や構成を行っていました。そこまで努力していたフジテレビが2本撮りを呑んだということは、“どうせ『サンジャポ』には勝てない”と白旗を上げたのかと思ったほどです」

 視聴率低下が現実のものとなれば、収録曜日の変更を模索するか、内容のリニューアルを検討せざるを得なくなる――かもしれない。ちなみにツイッターでは早くも“改革案”が投稿されている。1つをご紹介しよう。

《時々すごい古いネタをやってることがあるけどそういうことだったのか(略)どうせなら1テーマに絞って深堀りするとか、まったく違う感じにしてほしい》

 松本人志が「クローズアップ現代+」(NHK総合・火〜木曜・22:00)を担当するようなものだが、果たしてフジテレビは今後、どのような策を講じるのか。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月5日掲載

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