台風19号で「キュウリ」「ナス」急騰! 経済ジャーナリストが食卓を守る節約術を伝授

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「日本の台所」を直撃

 国が各県の収穫量に基づきまとめた野菜産出額をみれば、ここ2、3年のベスト10には茨城、千葉、群馬、埼玉、栃木、長野の6県がランクイン。いわば台風は「日本の台所」を直撃してしまったことになる。

 盛んに報じられているのは、生産量51年連続1位を誇る栃木県のイチゴ農家の壊滅的な被害だ。クリスマスケーキなどに欠かせない需要があるが、影響は如何ほどのものなのか。

 再び農水省に聞けば、

「イチゴ産地に多大な被害が出ていることは承知しております。ただ、収穫時期は12月と来年1月頃がピークですので、価格がどうなるかは分かりません」

 他方でこんな朗報もあると続ける。

「台風直後、一時的な品不足で値上がりしたキャベツやトマト、ピーマンは、ここにきて例年並みの価格に戻っています。ネギも茨城や宮城などで被害が出ましたが、前述した“産地リレー”方式によって今後は北海道などからの出荷がありますから、価格が高騰することはないと思います」

 食卓を守るためには、スーパーの値札と睨めっこしながら野菜を選ぶ日々が続きそうなのである。

「今回の野菜高騰を機会に、日頃の買い物を見直してみてはどうでしょうか」

 と話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。

「増税直後の被災ですから、これから消費が落ち込んで社会全体が不況に向かっていくのは間違いありません。今のうちにムダのない買い物をして支出をスリムにしていく必要があります。たとえば、冷蔵庫の中を写真に撮って記録すれば、スーパーに行く時に無駄なモノを買わずに済む。また各地の生産者から直接購入できるサービスを利用するのもお得です。問屋や小売店を通していない産地直送なら、安く手に入る食材もある。ネットでは、そうした産直農家からまとめて野菜を仕入れるサービスを展開しているサイトもありますから、チャンネルを拡げて比較し、選ぶことも大切です」

 むろん、購入する場合は可能な限り被災地産の品物を選ぶのを忘れずに――。

週刊新潮 2019年10月31日号掲載

特集「『モンスター台風』が切り裂いた人間模様」より

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