日本人が知らない親日国は南米「ボリビア」 ドイツやオランダよりも尊敬される理由

国際 2019年11月1日掲載

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 電通が実施した「ジャパンブランド調査2018」によると、日本のことが好きな国・地域のトップは、台湾、タイ、フィリピン、ベトナムが同率で1位だった。5位はマレーシア、6位は香港、7位はインドとシンガポール。実は、親日国ランキングには一度も登場したことのない、大の親日国がある。南米のボリビアだ。なぜこの国が親日国になったのか。

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 南アメリカ大陸のほぼ中央に位置するボリビアは、日本の面積の約3倍の国土を有し、人口は1080万人(2015年)。うち日系人が約1万人強住んでいる。観光地で有名なのは、チチカカ湖、絶景で知られるウユニ塩湖、キューバ革命の指導者、チェ・ゲバラが戦士した村イゲラなどがある。標高3000~4000メートルに多くの町がある天空の国で、6000メートル級の高峰が14座もある。事実上の首都となるラパスは標高3650メートルで、世界最高所の首都という。

「親日国といえば、一般的に台湾やトルコが有名です。南米について言えば、アルゼンチンやチリ以外の国は親日国になっています」

 と語るのは、10月に、『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブックス|PLUS|新書)を出版した谷本真由美氏。同氏は、17歳から旧ソ連、モンゴルアジア、南米など40カ国以上を旅し、『地球の歩き方』などに投稿。米国留学後、ローマの国連食糧農業機関(FAO)で情報通信官として勤務した後、現在ロンドンを拠点にITコンサルタントと著述業を行っている。『世界のニュース~』では、日本人の知るべき世界の危険地帯や、自国が世界からどう評価されているかを紹介している。

「19世紀から20世紀にかけて、南米諸国には30万人以上の日本人が移民として渡りました。日本人の移民は主に沖縄や九州、広島など、西日本で農業に従事している人たちで、ジャングルを切り開いて畑を耕すという過酷な重労働を強いられました。賃金も安かったそうですが、他の国の移民のように暴動を起こすこともなく、みな真面目に辛抱強く働き続けた。現地の人たちは、地道に働く日本人に好意を持っています」(同)

 日本人移民は当初、19世紀末にメキシコやペルーへ渡った。ペルーでは、サトウキビ農園の過酷な労働で多くの死者が出たため、首都リマで商業に転じるか、或いはアンデスを越え、ボリビアの奥アマゾンでゴム園労働者となったという。20世紀初頭からは、ブラジルへの日本人移民が急増した。

「日本からの移民は、子どもに高等教育を受けさせ、医者、歯医者、弁護士、税理士など専門職に就いた人が多くいます。メキシコやブラジル、ボリビアのラパスには、そういう日系人が沢山います。彼らはウソをつかないということで、現地の人は全幅の信頼を寄せています。日系人に仕事を任せれば、間違いないというわけですね。そのためか、私が昔、メキシコを旅したとき、レストランで食事をしていると、『ハポネ?』と店の人から言われました。ハポネはスペイン語で日本という意味です。日本人だと答えると、『食事代はいらない。日本には色々世話になったから』というんです。南米では、日本人だとわかると、現地の人が気軽に話しかけてくることが多いですね」(同)

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