武蔵小杉「高級タワマン」資産価値低下が気になって仕方ない住人たちの嘆息

国内 社会 週刊新潮 2019年10月31日号掲載

  • ブックマーク

 今日をどう生き延びるかという喫緊の課題にある程度の見通しが立つと、気になるのは将来の話。台風19号に被災したタワマン住民は、我が家の資産価値がどうなるのかハラハラしているという。

 武蔵小杉は、近年、住みたい街ランキングで上位の常連となっている。JRと東急の複数の路線が乗り入れ、横浜駅と渋谷駅までともに11分という抜群の交通利便性に加えて、都心からほどよく離れた自然の豊かさも街の売りのひとつだ。

 こうした環境のもと、「50年安心」といったフレーズを惹句にタワマンが次々と建てられたわけだが、今回、浸水被害を受けたことでその「安心」に疑問符が付いてしまった。しかも、武蔵小杉駅は混乱し、大行列ができた。被害に遭った当該マンションはもちろんのこと、街そのもののイメージダウンにつながった面は否めまい。実際、武蔵小杉にある不動産業者が、

「浸水被害を受けた地域の方が、『もうここには住めない』と、新しい部屋を探しにやってきていて、私どもが管理している物件は満室状態になっています。川べりの物件は敬遠されていて例外ですが……」

 こう言うように、すでに武蔵小杉における「不動産混乱」が始まっている様子で、タワマンの資産価値低下も必至のことに思えるのだ。例えば、被害が深刻だった47階建てのタワマンは、

「中層階の2LDK、約100平方メートルの角部屋が8千万円ほどといった価格帯ですが、早くも住民の中には『売却価格が1戸あたり10%下がったとすると、タワマン全体で約40億円を失う計算になる』と言っている人がいた。資産価値の低下が気になって仕方ないようです」(武蔵小杉を取材した大手メディア記者)

次ページ:「インフラ整備の問題点」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]