座間9遺体事件、池袋ラブホテル殺人…性犯罪の入り口は「出会い系」から「SNS」へ

国内 社会 週刊新潮 2019年10月24日号掲載

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SNSがなければ「失われなかった命」(1/2)

 評論家の西部邁氏の目には、スマホは〈人間精神の廃物小屋〉と映っていた。スマホの普及と共に多くの利用者を獲得したSNSを使い、思うさまに欲望や本性を曝け出す人々。その延長線上で続発する悲惨かつ異様な事件は、一体何を物語っているのか――。

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 東大名誉教授の養老孟司氏は『遺言。』(新潮新書)にこう書いている。

〈いまでは若者は四六時中、スマホを見ている。その中にあるものはすべて同じものである。その意味は、放置しておけば、まったく変化しないもの、という意味である〉

 養老氏はこの本で「感覚」の大切さを説いているが、慧眼の持ち主には、それこそ「感覚的」に分かるのかもしれない。今やほとんどの人が肌身離さず持ち歩く「必携品」たるスマホの危険性が――。

 昨年1月に「自裁死」を遂げた評論家の西部邁氏もスマホを毛嫌いしていた一人である。絶筆の書となった『保守の遺言』では、

〈スマホが人間精神の廃物小屋とみえてならない〉

 と書く程だが、ここ十数年でスマホが爆発的に普及するのと同じ勢いで利用者が激増したのが、Twitter(ツイッター)やLINE(ライン)などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。今やコミュニケーションの手段としてすっかり一般化し、極めて便利な面がある一方、SNSは時に別の顔を覗かせる。それこそ、〈人間精神の廃物小屋〉としての顔。SNSを巡り、悲惨な事件が相次いでいるのはその証左だろう。

 中でも2017年10月、神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件が世間に与えた衝撃は大きかった。犯人の白石隆浩(27)=事件当時、被告等表記略・以下同=は「首吊り士」などと名乗ってツイッター上で自殺願望のある女性らを探しだし、強制性交殺人に及んだ。まさしくSNSが存在しなければ起こり得なかった事件と言えるが、先月、池袋のラブホテルで女性の遺体が見つかった事件も似たような構図だ。嘱託殺人罪で起訴された北島瑞樹(22)も白石と同様、ツイッター上で自殺願望のある人を探していた。

 SNSを悪用した事件は連鎖する。17年11月、ツイッターで知り合った10代前半の少女を自宅に連れ込んだとして、北海道警にわいせつ目的誘拐の疑いで逮捕された佐々木隆光(34)は、こうはっきり供述した。

「座間の事件を参考にしてツイッターで女の子を探した」

 この事件のようにSNSを利用して犯罪被害に遭う未成年者の数は年々増加しているといい、

「17年は1813人、18年は1811人の子どもが被害に遭いました。08年は792人だったので、この10年ほどで倍以上になった計算です。内訳としては淫行や児童買春などが最も多いですが、凶悪犯罪に遭う子どももいる。18年の場合、略取誘拐が42人、強制性交等が32人となっています」(警察庁関係者)

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