今年だけで5件…相次ぐ犯罪者逃走事件「裁判官」が治安を破壊している

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GPSで監視せよ

 野に放たれる犯罪者の母数が増えれば増えるほど、逃亡リスクが増すのは当然。

 そのせいで市民生活が脅かされたのでは、笑うに笑えないではないか。

 思い返せば今年6月にも、傷害や窃盗、覚せい剤取締法違反などで実刑が確定した男が再保釈中に逃亡。7月には国会議員の元秘書の男が覚醒剤使用の疑いで家宅捜索を受けた際に逃げ、8月には韓国籍の男が窃盗容疑で捕まった後、入院中の病院から逃げ出して騒ぎになった。今月2日、今度は札幌地裁が、保釈した男について公判の日に出廷しなかったと発表。それぞれ事情は違うが、同類の事件は今年で5件。当局の頼りないことといったら……。

 東京地検特捜部OBで弁護士の高井康行氏は、

「勾留の執行停止や保釈は当然、右から左に認めていい類のものではなく、個別具体的案件において、その都度、裁判官が厳しく慎重にチェックすべきです。なのに今回は、現に被告が逃げる結果を招いたわけで、裁判所の判断が甘すぎたと言わざるを得ません」

 と語り、さらに、

「保釈中や勾留の執行停止中に逃走した場合についても罪に問えるよう“不出頭罪”を新設するとか、GPSの発信器を装着することなども今後、検討すべきでしょう。逃走中の再犯には法定刑を2倍にするといった方策も考えられます」

 なお、犯罪白書によれば、保釈中に再犯で起訴された被告は07年に85人だったのが、10年後には246人と約3倍に増加。裁判官が社会の安寧を破壊しているとはあまりにも皮肉である。

週刊新潮 2019年10月17日号掲載

ワイド特集「三千世界は謎だらけ! 新聞テレビでは分からない『秋の十大椿事』」より

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