広島・緒方監督3連覇でも退任のウラに「掌底事件」の後遺症

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愛娘の“噂”

 緒方氏が手を上げたのは、野間峻祥(たかよし)外野手だ。“怠慢走塁”を咎めて監督室で顔を連打。しかも掌底を用いたというから、内外から非難囂々で、球団からも厳重注意を受けた。

「成績が悪い上での不祥事ですから、大きく批判された。そもそも野間は監督が一目ぼれしてドラフトで取ってきた選手。その秘蔵っ子ともこれでギクシャクしてしまった」(同)

 更には、

「この騒動に関連して、周辺で“野間は実は監督の娘の交際相手”との話が出てその噂は程なくネット上にも広がったんです」(同)

 緒方氏は、タレントのかな子夫人との間に、1男2女をもうけている。かつて夫人はインタビューで、「パパが落ち込んだ際、2人の娘が“激励手紙”を書いて励ましている」というエピソードを披露したこともある。

「真偽はともかく、愛娘に話が及んでしまったのはショックだったはず」(同)

 もともと緒方氏は、マスコミ嫌いだが報道を逐一気にするという繊細な男だ。人付き合いも苦手で、夜も誘われなければ、ずっと家でデータやビデオ分析をしているとか。時に徹夜するほどの入れ込みようというから、ストレスには決して強くないタイプだろう。

「辞めて良かったと思うよ」

 と言うのは、広島OBで、40年前に日本一に輝いた時の正捕手・水沼四郎氏だ。氏は現在、市内でラウンジを経営しているが、

「ウチに来るお客さんにも、彼のファンていうのはあんまりいないんだよ。3連覇はしたけど、それは選手のお蔭で、采配が良ければ日本一になれたはずじゃないかって。お酒が入るとつい緒方の悪口になっちゃうんだ。今年も選手起用で迷いが目立った。優勝はともかくCSには出られたはずだよね。いい潮時だったんじゃないかな」

 日本一達成時の監督・古葉竹識(たけし)氏も言う。

「3連覇の功績は素晴らしいもので、是非続けて、念願の日本一も勝ち取ってほしかった。でも、監督は重労働だから、体調が万全じゃないと……。その意味では仕方ないことですね」

 まだ50になったばかり。

 ゆっくりと静養し、いずれ捲土重来を期す道もあるだろう。

週刊新潮 2019年10月17日号掲載

ワイド特集「三千世界は謎だらけ! 新聞テレビでは分からない『秋の十大椿事』」より

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