リーチマイケル、中島イシレリ……W杯日本代表の帰化選手は8名、昔と違う名前の事情

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名前がカタカナの選手は14人

 ついにラグビー日本代表は、10月20日、準々決勝で南アフリカ代表と対戦する。国内のラグビーブームは過熱する一方で、13日に勝利したスコットランド戦の瞬間最高視聴率は何と53・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に達した。

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 日本代表の強さを説明する際、外国人選手の数が多いとするメディアは少なくない。本当にラグビーの日本代表には、外国人が多くを占めているのだろうか。

 公式サイトで「メンバー」として掲載されているのは31人。このうち姓名のいずれかにカタカナが使われている選手を数えてみると14人だった。割合は45・1%となり、約半分と言って差し支えない。

 どうやら、このあたりが「ラグビー日本代表は外国人選手が多く、多様性=ダイバーシティを実現させている」というイメージの源泉だと思われる。

 だが、日本代表31人から“外国出身”の選手をピックアップし、現在の国籍を調べてみると、多様性というイメージは決してチームの状況を正確に表しているわけではないことに気づく。表にまとめてみたので、ご覧いただきたい。

 選手名の表記は、日本代表の公式サイト通りとしたが、「トンプソンルーク」と「ジェームス・ムーア」のように「・」のない選手とある選手が混在している。

 実は表記法が存在する。カタカナで名前が表記される選手で「・」が存在せず、続けて姓名が表記されているのが帰化選手、「・」で分かれているのが外国籍選手と使い分けているのだ。

 2つの表に示した通り、出生時は日本国籍ではなかったり、国籍を選べたりした選手は16人にのぼるが、8人が帰化していることが分かる。

 この8人に、「5歳で日本国籍を選んだ」松島幸太朗(26)を足すと9人。つまり日本代表31人のうち、外国籍の選手は7人と意外に少ないのだ。

 サッカー日本代表よりは多いかもしれないが、その割合は22・5%。逆に日本国籍の選手は77・5%ということになる。少なくとも先の“半分近く”というイメージは間違いだろう。ラグビー担当の記者が言う。

「例えば40代以上の方は、『帰化した選手は、名前に当て字のような漢字を使っているはずだ』という先入観をお持ちかもしれません。サッカーの日本代表で活躍したラモス瑠偉(62)、呂比須ワグナー(50)、田中マルクス闘莉王(38)といった選手たちを思い浮かべれば一目瞭然でしょう。ラグビー日本代表で名前が全てカタカナの選手を見ると、帰化した日本人選手というイメージが、なかなか湧きにくいと思います」

 主将のリーチマイケル(31)が帰化していることはよく知られている。だが、彼の場合、姓名に漢字は使われていないものの、姓と名を表記する順番は変わったことにお気づきだろうか。

 東海大学や卒業後に進んだ東芝ブレイブルーパスで、ニュージーランド国籍でプレーしていた頃は、「マイケル・リーチ」と表記されていた。それが2013年に日本国籍を取得してからは姓と名の順番が逆になり、「・」を消して一気に表記する「リーチマイケル」や、半角スペースを空ける「リーチ マイケル」などと書かれるようになったのだ。

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