「田舎暮らし」希望者は必読 悪徳不動産業者に騙されないための“鉄則”

ビジネス2019年10月9日掲載

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悪徳業者に騙されない12の鉄則(1/2)

 田舎暮らしを考えている人にとって、豊富な物件が出回る秋から冬にかけては、移住先や移住物件選びのベストシーズンである。

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 お盆休みから9月のシルバーウィークにかけて、長く使ってきた別荘で最後の避暑を楽しんだオーナーが、都心へ戻る際、地元の不動産業者に売却の依頼を出すことも多いからだ。

 しかし、物件が豊富に出回るこういう時期こそ、購入希望者は騙されないように気をつけなければならない。本来は移住用に向かない土地や物件を売りさばこうとする、悪徳業者がいるのだ。

 彼らに騙されないための「12の鉄則」をご紹介する。前編では、そのうち【1】から【6】の鉄則をご紹介しよう。

【鉄則1】住宅設備が最新でも、窪地、沢沿いは避ける

 次に挙げる2つの中古別荘のうち、あなたはどちらを購入しようと思うだろうか?

【A】家屋の住宅設備は真新しく、最高に素晴らしい。けれども若干、低地に建っている。
【B】住宅設備はリフォームの必要があるが、立地は高台にあり、眺望は最高。

 そんな二者択一の選択を迫られたのなら、間違いなく【B】を選ぼう。住宅設備は古くとも、高台のほうを購入すべきである。

 地方における窪地や低地のデメリットは、どれほど事前に納得したつもりになっても、実際は都会人の想像を超えている。

 山間地であればなおさらだ。山には必ず伏流水がある。梅雨時や長雨、台風の後に、しばらくすると飽和した伏流水が、こうした窪地に立ち現れることもある。

 平時は長閑(のどか)に見えても、降雨時には環境が一変する場所が、地方にはいくらでもある。地元民なら長年の生活で、そうした場所を知悉(ちしつ)している。だが、移住希望者が現地を訪れることなど、多くても数回だろう。たったそれだけで、土地の隠れ危険ポイントを把握するのはまず無理だ。

 素人でも、周囲を見渡し、窪地や低地になっているような、他より一段低い土地だと気づいたなら、絶対に手を出さない方が無難である。

 シダやクルミ、クリなど大量の水分を必要とする樹木がある場所は、土地の水気が多い。売却地の植生からも、土地の隠れた素顔を見抜くことができるのだ。植物に詳しい方なら、要チェックだろう。

 窪地や低地に建っている別荘がリノベーション済み、リフォーム済みを謳っていても、売れにくい土地であるからこそ、そうした手をかけているのだと疑ってかかったほうがいい。

 冬に降雪がある地域ならば、なおさらである。雪解けの春先からジメジメとしてきて、そのまま梅雨を迎えてしまう。年の半分も湿度に悩まされることも珍しくない。

 窪地や低地は日照条件も悪い。短期間限定の賃貸ならまだしも、購入した物件ならば、その後の生活が大変であり、売却にも苦労すると念頭に置いておいたほうがいいだろう。

【鉄則2】見下ろされるよりも、見下ろせる場所を

 窓を開けると、隣の屋根や住人の顔が見えてしまう――これでは、どれほど環境に恵まれた別荘地であっても、ストレスが溜まる。

 もし物件の前後左右に他人の家が建っていても、見下ろせる場所があるか、見通しが遮られない場所があるかはチェックしたほうがいい。要するに眺望のいい場所の有無だ。

 見通しのきかない別荘に、何百万円もかけて豪華なウッドデッキを整備したとしても、他人の家を眺めながら飲むモーニングコーヒーが旨いわけがない。

 別荘地では、最低限の閑静が保たれるよう、隣家との距離などの規則を科している業者も珍しくない。軽井沢町で別荘を建てる場合、敷地の最低面積や建ぺい率、隣家や道路との距離などを町が独自に条例で定めている。

 とはいえ、人によって不満を感じるポイントは様々だ。例えば私なら、窓を開けて隣家の屋根が目に飛び込んでくると、かなり気になってしまう。どれほど美しい小鳥のさえずりが聞こえていても、気に障る光景は気に障る。そして別荘の場合、不満が明らかになっても、引っ越すことは難しい。

 住んだばかりの頃は、気づかないということもある。入居者が周囲の風景に慣れた頃、実は視界に余計なものがあったことを見つける。これは相当に気になってしまうものだ。

 もし物件を見学した際、周囲が空き地だったら、「ここに別荘が建ったらどうなるか」と想像するのは大事なことだ。

 窓を開けたら隣家の屋根が目に入ってくるにしても、それが視界の端だったら何とかなるかもしれない。正面が開けているのなら、気持ちは楽になる。正面が塞がれてしまうと、気が滅入ってくるのは確実だ。せっかくの田舎暮らしも、郊外の住宅密集地と変わらない。

 家の正面が開けているかどうかは、必ずチェックしよう。富士山や浅間山、八ヶ岳や南アルプス、立山連峰が望めるならば最高だが、そこまでとはいかなくとも、とにもかくにも正面の眺望にはこだわり抜いてほしい。

 移住ライフの最大の魅力は、都会では得られなかった眺望と自然環境にこそある。だからこそ、南側の見通しがよい場所が絶対条件といえる。そして、そこは見下ろせる場所がいい。

 そうでなければ、首都圏郊外に広がる新興住宅地のほうが、よほど落ち着いた環境で、緑も豊かというケースは珍しくない。

 都心並みに密集し、眺望に乏しい移住集落も存在する。そういう場所では、移住・別荘ライフを楽しむ住民は少ない傾向にある。見通しだけが原因ではないとはいえ、重要なファクターであることは間違いないだろう。

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