木村拓哉、新ドラマでシェフ役 これまで演じた職業は23 ベスト&ワースト3を発表

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「若者のすべて」はラーメン屋店員

 実は木村が出演した最初と2作目の連続ドラマにおいては、職業人を演じていない。「高校生」や「大学生」という等身大の役だった。

 だが、徐々に自分自身と離れた架空の役を演じていったことが分かる。次の表は00年から10年。ちなみに木村が工藤静香(49)と結婚したのは00年のことだった。

 意地悪なドラマファンは、キムタクドラマを“職業コスプレ”と揶揄する。その傾向は00年代後半になって強まったことが表から分かる。その頂点が「総理大臣」だろう。

 それでは最後の表だ。11年から18年の主演作品になる。

 13年に放送された「安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜」では、遂にアンドロイドまで演じた。突拍子もない設定が話題になったのは、ご記憶の通りだ。

 なぜキムタクドラマと職業は不可分の関係なのか、SMAPの熱狂的な女性ファンは、その理由を「誤解を恐れずに言えば、木村くんの演技が単調だからです」と指摘する。

「喜怒哀楽がパターン化されている。私たちファンはオンエアを見ながら『あ、パターン演技だね』と見つけることも楽しみです。とはいえ、ゴールデンタイムのドラマはSMAPファン以外の方々もチャンネルを合わせます。残念なことに、木村くんは演技力だけで視聴者を感動させることはなかなかできません。それをカバーするために職業を前面に出す。未知の世界を垣間見る楽しみがありますし、キムタク演技のマンネリ化を防げます」

 表でご紹介したのは27本のドラマだ。その中で、まず検事を演じた「HERO」が第1シリーズと、第2シリーズで重複している。

 他にも「その時、ハートは盗まれた」の高校生、「あすなろ白書」の大学生、「フードファイト」の九官鳥(声のみの出演)を除くと、演じた職業は23業種となる。また「空から降る一億の星」が見習いとはいえコック役を演じている。「東京グランメゾン」のシェフと同じであり、合計数は23業種のままだ。

 そこで先ほどのSMAPファンの女性に「はまり役ベスト3」と「ミスキャスト・ワースト3」を選んでもらった。それでは「ミスキャスト」からご紹介しよう。

◆ワースト3位「人生は上々だ」(最高視聴率:23・1%)無職・大上一馬

 境遇で意外性を狙った役ですね。ウィキペディアには、「定職に就かずギャンブルに明け暮れ借金に追われる若者。元は成績優秀な医大生だったが、自分の心無い発言で恋人(れい子)を自殺させてしまった罪悪感から、医者の道を諦めている」と書かれています。

 スターであるキムタクがやりそうもない役を演じてもらうことで、話題性を高めようとしたのでしょう。

 でも率直に言って、木村くんは器用な役者ではありません。あまり奇をてらった役だと、パターン演技が目立ってしまいます。私たちファンにとっても、あまり楽しめない作品になってしまいました。

◆ワースト2位「ギフト」(瞬間最高視聴率:23・0%)届け屋・早坂由紀夫

 これも3位の「人生は上々だ」と理由は同じです。「記憶喪失の届け屋」という難しい役でした。制作陣の「ありきたりのキムタクドラマは作らない」という強い意思が伝わってきます。

 女性より男性の視聴者を念頭に置いた、ストーリーと演出だったと記憶しています。バタフライナイフがドラマに登場し、放映中に殺人事件が発生するという不幸な経緯もありました。しかし大好きな作品だという方も、もちろんたくさんいらっしゃるのでしょう。

 ただ、SMAPファンにとっての「意外な役」といえば、例えば映画「十三人の刺客」[2010年:三池崇史監督(59):東宝]で、(稲垣)吾郎ちゃん(45)が演じた松平左兵衛督斉韶という飛びきりのものがあります。

 桁外れの悪役。私たちファンの度肝を抜いただけでなく、日刊スポーツ映画大賞や毎日映画コンクールで助演男優賞を獲るなど、大変な評価を受けました。

 でも、この映画は「吾郎ちゃんに変わった役をやらせよう」と考えてキャスティングしたわけではないと思います。彼の演技力を信じて、重要な役を任せたのでしょう。

 木村くんの「奇をてらった役」が失敗するのは、順番が逆だからではないでしょうか。変わった役を演じてもらうことが最優先で、肝心要である配役の必然性が二の次になってしまうところがあると思います。

◆ワースト1位「華麗なる一族」(最高視聴率:30・4%)鉄鋼会社専務・万俵鉄平

 ファンの間では、「木村くんが演出に納得できなかったドラマ」として有名です。実際、ラストシーンを巡って、演出担当と相当な議論をしたという報道は当時、話題になりました。

 木村くんが納得していない演技ですから、ファンも感動できるはずもありません。しかも山崎豊子さん(1924〜2013)の原作は、木村くんのお父さん役・万俵大介が主役です。ドラマでは北大路欣也さん(76)が演じました。

 私たちSMAPファンも、むしろ原作通りの配役で見たかったという想いがあります。北大路さんが主役で、脇役が木村くんのほうがよかったのではないでしょうか。

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