「足し算ができない」「日本地図を知らない」 医療少年院の子どもたち
前回の記事で、通常では考えられないくらいに「見る力」「写す力」など認知能力が低い子どもたちが医療少年院にいることをお伝えした。「認知の歪み」を抱えた子どもたちである。
数多くの非行少年と向き合ってきた精神科医の宮口幸治氏は、新著『ケーキの切れない非行少年たち』の中で、こうした少年たちは、そもそも犯罪を反省することもできない、そうした力もないのだ、と指摘している。
前回に引き続き、こうした子どもたちの衝撃の実態を同書から見てみよう(以下、引用はすべて『ケーキの切れない非行少年たち』より)。
多くの非行少年たちは、少年院に入るまでに「これでもか」というくらい非行を繰り返している。宮口氏は赴任したての頃には、「凶暴な連中ばかりでいきなり殴られるのではないか」といつも身構えていた。もっとも、実際には人懐っこくて「どうしてこんな子が?」と思える子もいたそうだ。
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日本地図で「自分の住んでいたところはどこ?」と聞いても分からない
しかし、その一方でショックを受けることがあった。
「一番ショックだったのが、
・簡単な足し算や引き算ができない
・漢字が読めない
・簡単な図形を写せない
・短い文章すら復唱できない
といった少年が大勢いたことでした。
見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱く、そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を聞き間違えたり、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり、イジメに遭ったりしていたのです。そして、それが非行の原因にもなっていることを知ったのです。
その他、高校生なのに九九を知らない、不器用で力加減ができない、日本地図を出して『自分の住んでいたところはどこ?』と聞いても分からない、といったこともありました。
北海道は大体みんな知っているのですが、九州を指さして『これは何?』と聞くと、『外国です。中国です』と答えた少年もいます。
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