入ってはいけない「持病があっても入れる保険」実名リスト

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どうしても「がん保険」に入りたいなら?

 今回、リストにはなっていないが、加入を考えている人が多いであろう「がん保険」にも触れておきたい。

「今、がん保険は各社の競争が激しく、どんどん保障内容が厚くなってきています。保障が厚いと聞くと良いことのようですが、あれもこれも“あったほうがいいかも”と契約すると、当然その分、保険料は上がっていきます」

 と、藤井氏は言う。

「私が薦めるのは、極力シンプルなもの。がんと診断された時に、ポーンと『診断給付金』(診断一時金)が出るものが良いです。例えば、100万円が支払われたら、通院代に使おうが入院費に使おうが、自由です。あと、大抵、どのがん保険にも先進医療特約というものがあります。これは月々100円程度の安いものなので、どうせがん保険に入るなら必ず付けたほうが良いですね」

 先の長尾氏は、

「がん保険は、治療費を賄うためではなく、生活費のために必要だと思います」

 と、こう語る。

「がんそのものは、手術した後、平均20日ほどで退院になります。それ以上に大変なのは、その後の抗がん剤治療などの副作用です。吐き気や頭痛などが続き、仕事を辞めざるを得ないケースもある。すると生活費に困るので、収入を補填してくれる保険が必要になります」

 そうしたことからみても、やはり「診断給付金」が出るがん保険のほうが良い。

「もう一つは、抗がん剤治療などに対する給付金。これは一時金タイプではなく、月額でもらえるもののほうがおすすめです。抗がん剤治療は、治療期間が長期にわたります。そのため、一括でもらっておしまい、ではなく、生活費のためにも月単位でもらえたほうが安心だと思います」(同)

 がんなどの病や老い、生死が関わる「保険」を選ぶことはすなわち、「生き方」を選択することだ。そこには100人いれば100通りの考え方が存在するはずだが、今回のかんぽ生命の不祥事が示しているのは、「安易に生保会社を信用してはならない」という教訓である。“自衛”のためには、やはり最低限の知識は備えておくべきではないだろうか。

週刊新潮 2019年9月5日号掲載

特集「専門家が警鐘! 入ってはいけない『保険』実名リスト」より

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