お小遣い月3万円、専業主婦妻の実家のそばに家を建てた31歳イクメンサラリーマンの思考回路

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デート代は男性側が全額負担

 寺山さんは現在の若者にしては珍しく30歳までに結婚したいと考えていた男性だ。

「漠然と30までに結婚したい、子どもが欲しいという思いがありました。そんなとき今の妻と出会い28歳で結婚。特に合う趣味もないのですが、一緒にいて楽しいんです。好きな映画のジャンルも違うので、映画デートの際は、彼女が好きな映画のシリーズを事前に全部一人で観て準備を整え、完結編を二人で劇場に観に行って話を合わせました。基本的にデート代は全部僕が出していましたが、さすがにディズニーランドのチケットはそれぞれ買いました」
 
 また、寺山さんも妻も一人暮らしをしたことがなく当時はお互い実家住まいだった。実家暮らしだと夜の営みがはばかられる。月に3回はラブホテルに行き、ホテル代やガソリン代、高速代も寺山さんが持った。

 彼女と話を合わせるために映画のシリーズをチェックしたり、デート代を負担したりと、なかなか涙ぐましい努力だ。

「妻の家庭は自営業で家族の仲が良く、常に家族と顔を合わせられる環境です。だから、僕みたいなサラリーマンの生活が理解できなかったようで、最初の頃は『なぜ早く帰って来られないのか』『そんな会社辞めてほしい』とまで言われてしまい、かなり圧を感じていました。そして、この子は寂しがり屋だから実家を離れるとダメなタイプだと思い、結婚してから住んだアパートも、今住んでいる家も彼女の実家のすぐそばです。

 そして、子どもが生まれたことにより今まで僕に全て向かってきていた圧が子どもに向かっていって分散されたので、だいぶプレッシャーはなくなりました。でも、妻は専業主婦なのでやはり寂しいようで『昼間のLINEが少ない』と言われることもあります。だから、僕も上司に『家庭の事情で夜7時までには帰らせてほしい』と申し出て、今は早く帰れる日が多くなりました」

 彼は出産にも立ち会った。予定日になってもなかなか生まれず陣痛促進剤を打った。妻は想像を絶する叫び声を上げ、壮絶なお産となった。子どもの写真を「可愛いんですよ〜」と頬を緩ませながら見せてくれる寺山さんはパパの顔だった。スマホの画面の中では寺山さんによく似た女の子が笑っていた。

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