便秘の人の経済的損失は「年間122万円」、生存率「15%以上低下」というデータ

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 便秘は女性に多いと言われ、肌荒れや吹き出物、食欲不振を引き起こして、生活の質(QOL)が低下する。これが続くと、悩みのタネになることは言うまでもないが……。

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慢性便秘症とは、自然な排便が週に3回未満、あるいは、4回に1回を超す頻度で排便が困難な状態が何カ月も続いた状態をいう。

ところが、この便秘が経済的損失をもたらすという、驚くべきデータがある。便秘の人は、便秘でない人よりも会社を欠勤する率が高く、その経済的損失は年間約122万円にも上るというのだ。

 そんな数字を弾き出したのは、兵庫医科大学の研究チームだ。民間調査会社による日本人約3万人分の健康情報(2017年)をもとに、慢性便秘症と診断された患者(963人)と便秘ではない人(同)の働き方を比較。労働生産性と生活の質(QOL)を調査した。

 その結果、慢性便秘症の患者は、1週間の欠勤率が8・8%。便秘ではない人(3・8%)の2・3倍になったのである。さらに、注意深く仕事ができないなど、健康上の問題が生産性に影響を及ぼした割合は、便秘の人が33・2%、便秘でない人(19・1%)の1・7倍となった。

 この数値をもとに、日本人の平均賃金から経済的損失を推計したところ、便秘の人は年間約122万円、便秘でない人は約69万円。1・8倍の差が出たのだ。研究チームは、5月にあった米国消化器病学会でこの推計を発表した。

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