便秘の人の経済的損失は「年間122万円」、生存率「15%以上低下」というデータ

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糖尿病患者の6割が便秘

 便秘になる主な原因は、大腸が収縮、弛緩するぜん動運動の低下があげられる。高齢者に便秘が多いのは、年とともに神経の数が減ってくるからだという。さらに、病気が便秘を引き起こすこともあるという。

「糖尿病患者の6割は便秘になると言われています。糖尿病は、末梢神経に障害が出て、視神経が侵されて目が見えなくなります。同様に、腸管神経に障害が出て、ぜん動運動が遅くなるのです。あと、まだ原因は解明されていませんが、腎臓病やパーキンソン病、認知症になると、便秘になりやすくなります」

 では、便秘を防ぐにはどうしたらよいのか。

「食事、運動、水分、これが便秘を防ぐ3大要素となります。食事では、繊維質のある食材が有効と言われていますが、同じ繊維質でも、ゴボウやトウモロコシなどの不溶性繊維質と、こんにゃくに多いグルコマンナン、りんごや柑橘類に多いペクチン、海藻に多いアルギン酸などの水溶性繊維質があります。不溶性繊維質は、便を硬くする作用があり、便秘が重くなる場合があります。水溶性繊維質は、便秘にはポジティブな面しかありませんので、こちらを摂ることをオススメします」

便秘は、腸内フローラも関連があるという。

「腸内環境が整っていないと便秘や下痢の原因になります。腸内環境を整えるビフィズス菌や乳酸菌を摂取するいわゆるプロバイオティクスによって、腸内細菌を変化させることは、便秘に有効であるとの研究もあります」

週刊新潮WEB取材班

2019年8月18日掲載

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