日本でも注目の「韓国のフェミニズム」 “男性嫌悪テロ”も起きて男女の間に根深い亀裂

韓国・北朝鮮2019年8月15日掲載

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切り刻まれたアイドルの写真

 韓国のフェミニズムがいま日本で注目を集めている。現代の女性差別をテーマにした韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』は、筑摩書房刊の日本語版が翻訳文芸書として異例の大ヒットとなった。同書は2018年12月の刊行から現在まで、13万部を売り上げている。また「韓国・フェミニズム・日本」を特集テーマにした河出書房新社の雑誌『文藝』(2019年秋号)は、7月5日の発売から3日間で完売。計3刷を重ねるという記録的な売れ行きを見せた。

 80年代まで盛んだった日本のフェミニズムが2000年前後のバックラッシュ(反動、揺り戻し)で沈滞し、その空白を韓国のフェミニズムが埋めているのではないか――。一連の現象を巡っては、こんな分析もある。

 一方その韓国でも今、凄まじいバックラッシュとフェミニズムが激しくぶつかり合っている最中だ。

『82年生まれ~』は韓国で発売部数100万部を超え、小説としては10年ぶりのミリオンセラーとなった。だが昨年3月には、女性アイドルグループRed Velvetのアイリーンが同書を読んだと発言しただけで「フェミニスト宣言」だと激しいバッシングが起きた。「ファンの大多数が男性であることを肝に銘じるべき」などの書き込みとともに、アイリーンの写真を燃やしたり切り刻んだりなどした画像が広まった。『82年生まれ~』は映画化が進められているが、主演女優チョン・ユミもネットの中傷とバッシングに晒されている。

 その一方で女性の側も、一部の過激な集団が「男性への報復」を宣言。これまでに何度も警察沙汰を起こすなど、男女間の対立が危険なレベルで先鋭化している。

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