「愛子天皇」を潰したい安倍官邸の皇室戦略

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旧宮家の血筋より…

 むろん“悠仁さまと愛子さまのどちらがお世継ぎに相応しいか”といった、世論を二分しかねない「人気投票」など決して好ましくはなく、政権はそうした流れを封印したかったともいえよう。

「秋篠宮家は現在、折からの“小室問題”もあって窮地に立たされています。眞子さまはいまだ思いが醒めず、ご夫妻も、そんなご様子を前に諭すことができない。また3月には、佳子さまがICUご卒業に際し“結婚は当人の気持ちが重要”といった回答をなさり、物議を醸しました。そうした中で“果たして悠仁さまの帝王教育は大丈夫なのか”という懸念が、国民から沸き起こっても不思議ではありません」(同)

 となれば、紛うことなき皇統の長子であられ、ハーバードを経て外務省という類稀なる才媛を母に持つ愛子さまが、令和の代で国民の目にまぶしく映るのも、無理からぬ話である。

 一方、安倍首相のブレーンで、05年の有識者会議でヒアリングを受けた八木秀次・麗澤大教授が言うには、

「男系男子による皇位継承の維持といった総理の考えに変化はありません。そのために総理は、敗戦後に臣籍降下した旧宮家の皇籍復帰を検討する心積もりのはずです。国民が皇位継承の原理を理解する必要があるため、復帰については慎重に進めていくことでしょう」

 前出の月刊誌に寄せた論文では、安倍首相はこうも述べているのだ。

〈敗戦後長きにわたって民間人として過ごされた方々が急に皇族となり、男系男子として皇位継承者となることに違和感を持つ方もおられよう。そうした声が強ければ、皇籍に復帰された初代に関しては皇位継承権を持たず、その次のお子さまの代から継承権が発生するという方法も考えられよう〉

 もっとも、これに宮内庁関係者は、

「憲法の第1章第2条では『皇位は、世襲のものであつて』と謳われている。旧宮家の血筋を継ぐ男性が戻ってきて、そこから継承権が発生するケースと、愛子さまとを比べた場合、どちらが『世襲』の文言に相応しいかは、言わずもがな。かりに女性天皇が容認されれば、現状では憲法を変えなくとも皇室典範を改正すれば事足りるわけです」

週刊新潮 2019年8月8日号掲載

特集「支持率80%の脅威! 『愛子天皇』を潰したい『安倍官邸』の皇室戦略」より

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