若林、山本、吉川尚、田中……6人もいる巨人の2塁手、最後にレギュラーを掴むのは?

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残る4人の明暗は?

 現在、吉川尚の代わりに2塁を守っている若林は、“2番手選手”としての地位を固めつつあるという。

「若林は社会人野球のJX-ENEOSで鍛えられています。いわゆる即戦力として期待されていました。まさに今年は、彼が成すべきことをやっているという印象ですね。そつがなく、高いレベルでまとまっています。巨人の選手層が厚いということを象徴するような選手でもあります」

 これで残った選手は、打数の順に、山本泰寛、田中俊太(25)、吉川大幾(26)の3人となった。

 吉川尚と若林のレギュラーは確実だから、3人が精神的に腐ってしまうのではないかと心配になるが、小田氏は「プロ野球選手なら、そんなことはありません」と一蹴する。

「よく“走攻守の3拍子が揃った選手”と言いますが、プロ野球の世界で生き残る確率が高いのは、一芸に秀でたタイプです。というか、1軍にはイチロー(45)のような走攻守と何でも完璧な選手がゴロゴロしているので、1軍半の若手は得意分野を磨きに磨いて、スペシャリストとしての才能を首脳陣に認めてもらうしかないんです」

 そういう観点から3選手を見ると、今のままでは山本・吉川大の2選手と田中選手に分かれてしまうという。

「山本選手は長打力、吉川大幾選手は打率と出塁率を伸ばしていくのがレギュラーへの早道でしょう。守備力では吉川尚輝くんには勝てないし、バランスの良さは若林晃弘くんが図抜けています。2人は打力を伸ばしていくという戦略です。一方の田中選手ですが、今のままではなかなか苦しいですね。本人も分かっていると思うのですが、走攻守のバランスが良いのですけれど、全てこぢんまりとまとまってしまっています。現状では一芸という個性が感じられません。もっと危機感を持ってほしいですね」

 巨人の若手でレギュラーの地位を確保できないとなると、他球団へトレードという可能性が高くなっていく。意外にも選手を探す際、どんな球団でも「3拍子の揃った」若手よりは、「一芸に秀でた」タイプを欲しがるという。プロ野球選手が特徴を磨くということは、まさに生き残るために不可欠ということのようだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月2日掲載

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