島田紳助「親と子のケンカに弁護士が入ったらアカン!」宮迫・田村造反劇への悲憤

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弁護士が入ったらアカン!

 吉本はな、もともと家族みたいな会社なんや。俺は24で東京に出たんやけど、当時の吉本の東京本社はものすごくちっちゃいとこやった。その本社事務所の前に大崎さんのマンションがあってな。大崎さんは、そこで夜中までずっと仕事をしてはった。俺なんか、そこに入れてもらって大崎さんのお嫁さんと一緒に晩飯食っとったんや。会社が親、芸人は子。ホンマ、当時からアットホームやった。

 それがこうやって拗れてもうて、おかしくなっていくのを見るのは悲しいですよ。なんで弁護士を立ててしまったんやろな。弁護士が法的、権利的なことを言い出すと収拾がつかんくなる。家族のあいだに弁護士が入ったらあかん。離婚や絶縁やって話になるやろ。契約書を交わさないのも、そこに家族的な信頼関係があればこその話。権利的に曖昧なのは仕方ないことや。

 みんなのコメント見たら優しいやん。さんまも「入江に頼まれたら俺も絶対に行ってた」とか言うてたけど、アイツが直の営業なんて行くわけないやろ。100%、行かへんわ。5千万、いや1億積むって言われても行かへん。それぐらい気をつけて生活しとる。それでも、後輩の罪を軽くしようと、「行ってた」と口にする。さんまの優しさやな。

 あと、騒動がここまで大きくなったのは、「闇営業」って言い方もあるんやないかな。聞こえが悪いわ。俺らはみんな直って言うからな。その直の営業がもしなくなったら、10人ぐらいの事務所なら食わせられるかもしれへんけど、吉本みたいに6千人も抱えてる事務所やったら、若いもんはぎょうさん餓死するで。だから直の営業はタレントにとって互助会みたいなもの。落語家さんの独演会は会社の仕事やけど、勉強会は、言うたら直の仕事やろ。友だちの結婚式に行ってスピーチするんやって直や。そこでお車代もろたら、“闇営業だ”ってなってまう。

 俺も、島田洋七さんから「『佐賀のがばいばあちゃん』(2006年公開)に出てくれ。佐賀まで来てくれ。ギャラは出えへんけど温泉宿に泊めたるわ」と言われて行った。そんなの、断れないでしょ。兄弟子の言うことは絶対やから。好きな兄弟子やったらなおさらですよ。それを、直はあかんって言われたらどうにもならん。だから吉本は、そういうことに口を出さなかった。そういうルーズさが会社のよさでもあったんです。

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