「メーテル」のイラストをヤフオクに無断出品 「銀河鉄道999」アニメーターの強欲ぶり

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何が悪い

 当の松本氏は、悲憤の表情を浮かべながら続ける。

「当然、作画をしたからといってそのキャラクターを勝手に描いていいということにはなりません。『銀河鉄道999』は私がキャラクターの設定や衣装のデザインまで考えていますから」

 そして、こう訴えるのだ。

「キャラクターの本質を理解している私が描くからメーテルはメーテルになるのです。実際に彼のイラストを見ると、画風が私のものとはまったく異なります」

 さて、巨匠の声にどう応えるか。

「ヤフオクのイラストはすべて私が描いたものです」

 と、湖川氏の弁。

「メーテルで儲けようなんて思っていませんし、オークションなんて本当はやりたくないんですよ。でも、ファンの人にイラストが欲しいと言われて、サービスのつもりで描いている。値段はいくらでもいいんです」

 ではなぜ、値段をつり上げていくオークションサイトに出品するのか、というツッコミも入れたくなる。さらに、松本氏の嘆きについても猛反論。

「松本さんは漫画のメーテル、私はアニメのメーテルを描いている。アニメ用のイラストは線が細く、簡略化されています。私がデザインしたものを勝手に描いて何が悪いんですか」

 だが、この取材の後にはなぜか、サイトからすべての出品作がなくなっていた。

 著作権に詳しい金井重彦弁護士が言う。

「雰囲気や線の太さに違いがあるにしろ、メーテルだと誰がみても分かるものであれば、著作権侵害にあたります」

 メーテルと鉄郎の旅路に少年少女は夢を抱いた。それを不当な手段で金に換えたことに変わりはない。

週刊新潮 2019年7月25日号掲載

ワイド特集「夢の値段」より

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