「東京ディズニー」に2年ぶり新アトラクション 顧客満足度“暴落”からのV字回復なるか

ビジネス 2019年7月25日掲載

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 7月23日、東京ディズニーシーに新たなアトラクションがお目見えした。総額180億円を投じたといわれる「ソアリン:ファンタスティック・フライト」だ。早速、6時間待ちの盛況ぶりが伝えられるが、東京ディズニーリゾート(TDR)をめぐっては、つい最近まで不振が伝えられてきた。夢と魔法の王国、その未来を占う。

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 東京ディズニーランドが千葉県浦安市にオープンしたのは、1983年。以来、日本におけるテーマパークの顔として、数多くの来園者を楽しませてきたのはご存じの通りである。日本生産性本部サービス産業生産性協議会による日本版顧客満足度指数(JCSI)でも、長きにわたり、顧客満足度の高い企業・ブランドとして、トップ10に君臨し続けてきた。

 ところが15年の調査で、突如、前年の2位から一気に11位へと下落。翌年の16年も顧客満足度指数を下げ、13年から17年の4年間で、TDRはじつに10ポイント近くを下げたのだ(86.8→82.7→77.9→77.1)。

 これがどれほどの“暴落”かというと、

「2014年に鶏肉の賞味期限問題などが発覚し、大幅な赤字に陥った日本マクドナルド以来のことでしょう」

 と解説するのは、小川孔輔・法政大学経営大学院教授。マーケティングを専門とする教授は、JCSIの調査設計と事業運営に関わっている当事者でもある。

 先にネタバレをすれば、18年の最新調査でTDRはポイントを大きく回復させる。その理由は後述するとして、なぜ、一時、TDRはこれほどまでに顧客満足度を下げてしまったのだろうか。

 当時の新聞を繙けば、鶏肉偽装ほどの大ニュースではないにせよ、シーのホテルミラコスタでノロウイルスの集団感染(14年)、園内で販売していたカップケーキにカビが発生(15年)、シーの清掃アルバイトが転落死する(15年)など事件事故が起きてはいた。

 しかし、小川教授によれば、コトはもっと本質的なところにあったという。

「当時のTDRでは、ショーを見るときに抽選制を導入したり、パーク混雑時の入場規制を廃止したりと、運営するオリエンタルランドの売上高至上主義が目立っていました。企業として“ブラック体質”であると言われたのもこの頃で、そのキャスト(従業員)に対しても“ゲストを楽しませる”ことよりも“クレームを避ける”よう、マネジメントが方針転換されたといいます。顧客満足度は、下がって当然の状況だったといえますね」

 他にも16年までに入園料が3年連続で値上げとなり、6400円から7400円にもなった。一方、ライバルのユニバーサルスタジオジャパン(USJ)が、次々と魅力的なアトラクションを打ち出した……といった影響もあるだろう。

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