「子どもを攻撃せずにはいられない親」の罪、5つの重大事件との因果関係を分析

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親の“攻撃”から身を守るには、“親との対決”しかない

 片田氏は新書の中で、親から“支配欲求”を受けた体験を告白している。

《私は、文学部に進んで新聞記者か作家になることを夢見ていたのだが、両親は決して許さなかった。「医者になれ」の一点張りで、「文学部なんか一文にもならない」と猛反発された。(中略)両親が私を医者にすることに固執したのは、二つの理由によると私は考えている。一つは、経済的な理由である。田舎でお金持ちというと医者くらいしかいないので、医者になって開業してバンバン稼ぎたいと思ったのだろう。もう一つの理由として考えられるのは、父の兄(私にとっては伯父)を見返したいという願望だ》

「医学部に行かないと学費を出さないというので、嫌々医学部に進み、医者になりましたが、つらいこと、苦しいことがありました。本当に悩んだことも。文学部に進んで、好きな道に進むという子どもの希望が無視されたのに、今でも母親は、医者にさせたことを悪いこととは思ってもいません。親は、子どもを支配したことを、良かれと思い込んでいるのですね」

 こういう親には、どう向き合えばいいのか。

「親に逆らわず、親と対決すべき時に対決しないと、後から大きなツケが回ってきます。この対決は親のためではなく、自分のために行うものだからです。親と対決しなければ、一生心の最深部に横たわっている“恐れ“に悩まされるかもしれないし、傷ついた自尊心を抱えたまま、無力感にさいなまれるかもしれません。子どもの時に親と対決できなくても、ある時期になったら対決すべきです」

週刊新潮WEB取材班

2019年7月21日掲載

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