有識者が伝授 「若返りホルモン」を増やし、病的な老化を防ぐ方法

ビジネス IT・科学 週刊新潮 2019年7月18日号掲載

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中高年でも間に合うという「若返りホルモン」の増やし方(1/2)

 年齢に反比例して減るもの多く、辟易している向きに朗報である。やはり年齢とともに減っていくホルモンは、実は、今からでも増やせるのだという。しかも、ホルモンこそが若さを維持し、老化を押し留めるキモだというので。これが「若返り」の決定打か。

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 若返りホルモン――。早とちりする方がいるやも知れぬが、食べれば若返る内臓肉のことではない。

 とはいえ、内臓肉と無関係とも言い切れないらしい。内臓料理は戦前からホルモン料理と呼ばれ、もともと、ホルモンの分泌を促進する滋養料理だ、というほどの意味だったのだとか。

 これから述べるのも、ホルモンの分泌を促そうという話で、ホルモンこそ若返りのカギだというのである。

 もっとも、「若返り」と記すと、単なる見た目の若さがイメージされかねないので、「アンチエイジング」としてもいい。年齢相応でいいという考え方もあろうが、この超高齢化社会に、それでは通用しないという。

 なぜか。内科系等のほかアンチエイジング系の研究にも取り組む、ハーバード大学とソルボンヌ大学両医学部の客員教授、根来(ねごろ)秀行氏の話に耳を傾けたい。

「加齢とともに自然に消耗される生理的な老化は、現代医学的には避けられませんが、病的な老化は別です。活性酸素や、体によくないものが体内で処理される過程でできる不純物、心理的なストレスなどの病的因子を取り除き、体本来の力を最大限に引き出せば、病的な老化は遠ざけられる。これがアンチエイジングのポイントで、言い換えれば究極の予防医学なのです」

 社会のさらなる高齢化が避けられない状況下、病人だらけの世の中にしないためにも、アンチエイジングが肝要だというのだ。

 ちなみに、そう語る根来教授には『ホルモンを活かせば、一生老化しない』という著書がある。

「私がアンチエイジング・ホルモンとして重要視しているのは、成長ホルモンとメラトニンです」

 と、根来教授が続ける。

「成長ホルモンは、その名の通り、体の成長を促進するホルモン。脳下垂体で分泌され、全身の代謝を助け、細胞間のアミノ酸の受け渡しを促進し、アミノ酸の取り込みを補助します。そうして内臓や器官を修復したり、新しい皮膚を作ったり、筋肉や骨を修復、増強したりするんです」

 同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授が補足するには、

「70歳になっても必要なホルモンで、手術後に傷口をふさぐためにも成長ホルモンが必要です」

 次にメラトニンについて、根来教授の話に戻ると、

「若さの維持に寄与する四つの働きがあって、一つは、深い眠りを誘う。そうして成長ホルモンの分泌を促すのです。次に、メラトニン自体が成長ホルモンの働きを活性化させます。成長ホルモンとの相互作用で体が元気になるのです。三つ目が、免疫力を高める力。四つ目は、体を錆びつかせて老化を進める活性酸素を除去する力です」

 これらのホルモンが、忍び寄る老化を押しのけ、体を防衛してくれているわけだが、困ったことに、

「成長ホルモンもメラトニンも、加齢とともに徐々に減少します。20代がピークで、40代でその半分、60代で4分の1程度になってしまう。そのうえ、ホルモンを運ぶのに重要な毛細血管の量も20代がピークで、60代になると4割くらい減ってしまいます。若さを保つには、ホルモンの分泌量と運搬ルートをいかにキープするかが重要です」

 根来教授は強調する。

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