吉本の闇営業、そんなに悪いのか? さんま、岡村隆史らが次々語り出した胸のうち

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35年ローン

 なかでも特に代償が大きかったのは、「スリムクラブ」の内間(うちま)政成ではないか。2013年末の番組の企画で中古の一軒家を約6千万円で買わされたのだ。35年ローンで月々の返済額は二十数万円という。彼らはこれをネタにしていて、14年の半ば、テレビカメラの入らない小さな舞台で実際に披露していた。

 真栄田(まえだ)賢が“こいつ、家を買わされましてね”と内間を憐れみ、“俺たち、笑っていいとも! 1回で5千円ですよ”と続ける。

 そして“タモリは1回200万円ほど。いいともは週6日だから、5週間で返せちゃう。こいつは35年ローンなのに”という漫才。憎しみまじりに、タモリにさん付けをしないのがウケていた。

 内間にしてみれば、直の営業ではなく会社を通した仕事でローンを背負い、その返済を楽にしようとパーティーに出たら、ヤクザ関連でこの始末。自業自得とはいえ、「闇営業」で闇に沈んでいきそうなのだ。演芸評論家の保志学氏は言う。

「吉本が今回の一件で芸人に処分を下し、黒い交際の根絶を掲げるのは社会的責任上、必要です。しかし芸人の側から見ると、よほど売れていない限り、会社を通した仕事だけでは食べていけないのが現実です。昔は持ちつ持たれつの関係があったのでどうにかなる部分もあったと思いますが、いまは、芸人の主戦場が舞台からテレビに変わり、子どもからお年寄りまで見るようになった。テレビが浸透することで、芸人にも、一般市民と同じ感覚が求められ、法令遵守の意識が生まれるようになった。破天荒な芸人がいなくなったのです」

 もっともこの問題、「闇営業」と反社会的勢力の仕事がごっちゃになって語られるので分かりにくい。本来、単なる「直の営業」と反社会的勢力絡みの営業は分けて考えるべきで、さらに、後者についても事前に知っていたか知らずかでは雲泥の差があろう。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年7月11日号掲載

特集「とうとう『さんま』が後輩に助け舟! そんなに悪いか『吉本の闇営業』」より

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