韓国で有名大学のマスコット犬が出入り業者の晩飯に…犬肉食の最新事情を探る

国際 韓国・北朝鮮 2019年7月2日掲載

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国会前を占拠する犬たち

 中国及び東南アジア、また朝鮮半島で、犬は古くから食用とされてきた。韓国ではとりわけ、夏場の滋養強壮食として食べる伝統がある。日本でいえば、土用鰻のような位置づけだ。

 だがこの伝統も、風化を始めて久しい。

 韓国でも00年代のブームを経て、すっかりペットが生活文化に根づいた。いまや5人に1人がペットと暮らし、その約8割を犬が占める時代だ。2018年6月の世論調査では、犬肉食に反対が51.5%、賛成が39.7%を占めた。

 そうしたなか犬肉食を巡る話題は、年を追うごとに熱を帯びている。犬肉食の根絶を目指す動物愛護団体、伝統を守ろうとする犬肉食の業界団体が、それぞれの主張を繰り広げて争っているからだ。

 ソウル・汝矣島の国会議事堂前ではいま(6月24日現在)、奇妙な光景が繰り広げられている。緑地に整備された幹線道路の中央分離帯にいくつかの簡易テントが張られ、木々につながれた数十頭の犬がその下でくつろいでいるのだ。周囲に張られた横断幕には、「違法な犬飼育施設を撤去せよ」などの文言が見える。

 これは、韓国南西部・慶尚南道梁山市の食用犬飼育施設で飼われていた犬たち。動物保護活動家と篤志家が、処分の間際に業者から買い取った。だが行き場がなく、政府へのデモを兼ねて5月10日から中央分離帯に居座っているのだ。当初65頭いた犬は数十頭が引き取り手を見つけて去ったが、残りがまだ活動家ともに籠城中。明らかな不法な占拠デモだが、無下に強制退去させないのは韓国のお国柄だ。

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