「#KuToo」石川優実さんがフェミニズムに目覚めた「お菓子系アイドル」時代の壮絶体験

姫野桂 「普通の女子」になれなかった私へ 国内 社会 2019年6月26日掲載

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 気鋭のライター・姫野桂さんが「女性の生きづらさ」について綴る連載「『普通の女子』になれなかった私へ」第8回。今回は「仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたい」とTwitter上で「#KuToo」というハッシュタグを発信し、署名を立ち上げたグラビアアイドル・女優・ライターの石川優実さんを取材。石川さんがフェミニズムに目覚めたきっかけである、「お菓子系アイドル」時代のエピソードを語っていただきました。

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「お菓子系アイドル」とは?

「仕事でパンプスを強制されない自由が欲しい」と訴える活動、「靴」と「苦痛」をかけた「#KuToo」が今白熱している。その発端となったのは、グラビアアイドルで女優、ライターの石川優実さん。彼女は職場でパンプスを強要され、足を痛めながら勤務していた。他にも、歩き回る必要のある就活時にパンプスで靴ずれを起こして、血まみれになったパンプスの画像をTwitterに投稿した学生さんのアカウントも見かけたことがある。

 石川さんは一昨年、芸能界で性接待を強要されたことを#MeToo運動の一環として告発。その際、初めて私は石川さんの存在を知って、Twitterをフォローした。

 彼女は元々、「お菓子系アイドル」の出身だ。お菓子系とは、主にティーンの中高生モデル(や中高生に見える童顔の18歳以上のモデル)に、スクール水着やブルマ、学校の制服などを着用させた、いわゆるロリコン層に向けたグラビアだ。それらのグラビアを売りにしていた雑誌の多くは既に廃刊しているが『クリーム』『ホイップ』『ワッフル』といった、甘いお菓子を連想させる名前が多かったことから、彼女たちは「お菓子系アイドル」と称されていた。

 12~13年ほど前、小学6年生がTバックを穿いたDVDを出していることがとある報道番組で取り上げられていて、当時の私はかなりの衝撃だった。小学6年生ではまだ、自分で物事の判断ができる年齢だとはいいがたい。本来なら大人に守られるべき年齢の子どもが男性に性を煽るような仕事をしていることにショックを受けた。

 また、私は個人的に少しサブカル的なものが好きで、7~8年ほど前、都内の変なスポットを廻るバスツアーに参加したことがあった。その中に、今はもう店舗がなくなっているが、10代やそれよりもっと下の3~4歳の女児のグラビアDVDを販売している秋葉原の店も入っていた。ツアーの主催者からは「女性が入店すると店内のお客さんが戸惑ってしまうので、3人1組で1人男性を入れて、交代制で入店しましょう」と促された(ツアーには女性の参加者が多かったので)。

 店舗に入ると、ずらっと並ぶビキニの幼女たちのDVDと、それを舐め回すように吟味する男性たち。頭がクラクラした。男性たちは性的消費目的でこれらのDVDを購入しているのか、モデルの女児たちの親は何を考えているのか、女児たち自身はどう思っているのか、これから先物心がついて大人になった際過去の自分の作品にどう向き合うのか、様々な疑問と嫌悪感が脳内で渦巻いた。

 お菓子系アイドルとして人気を博した石川さんは10代の頃、どのような心境で水着や露出の多い衣装での撮影に臨んでいたのか気になったので、今回詳しくうかがってみた。

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